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「だって俺、お前好きだし」
興味と予感なんだろ?
「吉岡のことも…?」
「何言ってんだ、吉岡は唯斗を好きなんだろ」
俺が吉岡を好きだったら、それこそ訳のわからない三角関係になってしまう。
「じゃあ何で、」
一瞬顔を上げたくせに唯斗はごにょごにょと言う、聞こえない。
「何だよ」
そろそろ扇風機を切ろうと思いながらちょっと腰を浮かして尋ねたら、口の尖らせた子供みたいな顔をして唯斗が小さく呟いた。
「…何で俺じゃない奴とキス、してんだよ」
扇風機を切ると、カラカラとゆっくり羽の止まる音がした。
クーラーは、もう少しつけたままにしておこう。
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