C地区

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作戦に参加していた百余名の内、生き残りは僅か十二名。 指揮官はC地区の主に無線で連絡をとるも、応答が無い。 “キューブ破壊機構”の権力の強さはリーダー、幹部、地区の主、エリアの主、指揮官の順になっている。 しかし無茶なカミカゼ特攻令を出したような指揮官が正しい判断を自分に下せるわけもなく、こうして地区の主に連絡を一心にとっている始末だ。 残りの十一名はそんな指揮官を見て顔に諦めの表情を浮かべ、地面に座りこんでしまった。 ある者は双眸に涙を浮かべ、ある者は愛する者の写真を見て笑みを浮かべた。 絶望に満ちたC地区にキューブによる最後の一撃が下された。
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