1994/12/24 from lover

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1994/12/24 from lover

 拝啓、最愛なるあなたへ。  なんだか変な感じだけれど、初めてお手紙を出します。  冬の寒さが肌を刺す毎日が続きますが、ちゃんと暖かくして日々を送っておられますか? 私は先日、愛用していた電気ケトルが壊れてしまって、毎朝のコーヒーを淹れるのが少し億劫です。昔から使ってる年代物なので、壊れてしまうのも仕方ないのですが。  なんてね。さて、昨日まではあなたに憧れるばかりだった私が、今、こうして恋人として言葉を紡いでいるかと思うとちょっと恥ずかしいですね。でも、あなたを目の前にするとドキドキしてしまって、なかなか本当の言葉が出てこないから、こうして時々手紙を送ることにします。嘘偽りない私の気持ち、便箋一枚じゃ少しだけしか書けないけど、受け取って下さい。  大好きです。本当に。  これから、いろいろなことがあると思います。正直、喧嘩したりもあると思います。今は想像もできないけれど。でも、そんなときはちゃんと仲直りしようね。  だから、いつも語ってくれるあなたの夢、一緒に叶えましょう。あなたのためなら、私は協力は惜しみません。頼って下さい。いつだって私は、あなたの味方です。  敬具、純朴なるあなたの恋人より。  追伸。よかったら今度、電気ケトルを買いに行くのに付き合ってもらえませんか?
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