EPISODE:01 邂逅

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20XX年、8月。 宮崎県延岡市。 とある住宅地に、一人の男が歩いていた。 男はポロシャツにトレーナーズボンといったスポーツマンスタイル。 見た感じ20代後半から30代前半に見える。 「ふぁ~、延岡は日向君だけだな。それよかトイレはどこだぁ?」 と、トイレを探していたトコに公園が見えた。 「汚ねぇトイレだな…」 ドンッ! 「?」 ドンッ! 男は尿意を忘れて音の方に注目していた。 ほぅ……軟球で壁当てね…。 少年は中学生くらいだろうか。 黙々と壁にむかってボールを投げていた。 「やぁ、投げ込みかい?」 男は少年に声をかけた。 が、 「…?、なんだよ、てかアンタ誰?」 振り向いた少年は学校の体操着姿で、顔には無数の傷痕があった。 だか、男はそんなことよりも、少年の眼を見た瞬間、体中に電撃が走った。 こいつ… 「なぁ、君東京で野球やらないか?」 男は少年にそう言った。 「はぁ?まず質問に応えろよ!!」 少年は男に殴りかかろうとした。 ガシィ! 「!!」 「俺は東京青稜高校硬式野球部監督の大橋知也(おおはしともや)という者だ。君には才能がある。ぜひウチで野球をしないか?君ピッチャーだろ?」 大橋はそう言った。 「俺は延岡東中の藤谷鉄生(ふじがやてっしょう)だ。俺と勝負して勝てたらアンタのお望み通り東京に行くよ。」
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