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鉄生はそう言ってバットをつき出した。
「ハハハ、漫画みたいな展開だなぁ笑」
「うるせぇ!!逃げんのか!?」
「逃げないさ…。俺は昔から逃げるのが性に合ってねぇんだよ。」
かくして、大橋と鉄生の勝負は始まった。
場所は変わって河原の広場。
「勝負は1打席、三振か凡打なら俺の勝ち、ヒットかホームランならアンタの勝ちだ!」
「ほーい」
(なんなんだ…この大橋とかいうやつ…。
何考えてんのか全く読めねぇ…)
(さーて、まずは球を見るか…)
初球を鉄生は投げた。
ビシュッ!ドンッ!
ボールは橋げたに当たってコロコロと転がった。
(130kmに届くかどうかか…
だかこの球は…)
2球目を鉄生は投げる。
カキィーン!
ボールは左側の土手にライナーで直撃した。
(…まじかよ
ファールだったけどあんだけ差し込んだのに…)
(さーてそろそろ本気だすか…)
大橋は本気モードに入った。
キ---ン
(!! こいつ…)
2人のいる空間だけ明らかに空気が違う。
鉄生は渾身の一球を投げた。
「おおおオおぉおぉぉぉ!」
空間を切り裂くように、ボールはストライクへと向かっていった…
カキィーーーーン!!
ボールは川を越えて対岸まで弾き飛ばされた。
推定飛距離150mは飛んだだろう。
……ハハ、こんなに野球を楽しんだの久しぶりだな…
………東京、か…。
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