EPISODE:02 東京

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9月、俺は担任との進路相談で東京青稜にいきたいと話した。 まぁ当然 『お前あんなトコ何しにいくんだ?』 って言われてムカついたから担任に裸締めをくらわしといた。 その日の帰り。 いつものように公園へ帰ろうとした時、 「おい、鉄生」 校門前で鉄生を呼び止めたのは、野球部でチームメートだった岸本だった。 「お前、青稜に行くつもりらしいな」 「……だからなんだ?」 「俺…いや、野球部のみんなはお前を絶対に許さない。青稜に行ってもお前程度は泣きを見るのが関の山だ」 「……何言ってんのかよく分かんねぇよ」 「……俺や岩村、準之輔たちは福国(ふっこく)に行く。俺たちが甲子園で優勝するのを黙って見てるんだな」 そう言うと岸本は帰っていった。 (………待っていろ、今に見返してやるからよ!) 月日は流れ、3月。 俺は相棒のテントら荷物一式を持って電車に乗っている。 行き先は東京だ。 初めての飛行機は墜落のイメージしか湧かなかった。 『間もなく西京~西京です。お出口は左側です…』 電車を降りて、駅前のロータリーを見渡せるベンチに腰掛けた。 (東京=都会だと思ってたけど、この西京市ってあんまり向こうと変わらないな) そう思っていた時、黒い車がベンチの前に停まる。 「よぅ!よく東京まで来れたな!」 大橋だった。 約10分間の間、車に揺られてようやく目的地に着いた。 そこは極々普通の一軒家だった。 「階段上がって1番奥の左側だ、呼びに行くまで部屋でゆっくりしてろ」 言われるままに階段を昇り、1番奥の左側へ向かった。 (1号室か…)
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