第1章

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鉄の扉の向こうには壁に磔にされた大男が居た・・・ しずく「随分と大きくなったじゃない」 研究員「ヒサルキ博士の試験薬を改良しウイルス成分と争わないようにしたのですが、キメラ化は見られず、ただ体積だけが増加する結果に・・・」 しずく「来週には新しいヒサルキが来るみたいだからそれを待ちましょ・・・」 研究員「解りました・・・」 大男「さ・・・・・・・・・こ・・・・・・・・・」 しずく「何か呟いてるわね・・・」 研究員「最近はこれしか呟かなくなりましたね」 大男「さ・・・・・・・・・と・・・・・・・・・」 しずく「あら?こんな姿になっても婚約者の事を忘れないのね・・・妬けちゃうわ」 しずくは徐に大男へ歩み寄る・・・ 研究員「危ないですよ!!」 兵士「何か有ったら大変です!!お下がり下さい!!」 しずく「大丈夫よ~・・・首を飛ばされても死なない体だもの、それにこいつは動けないわ」 しずくは大男まで1mの至近距離に近付く・・・ しずく「こんばんは。御機嫌如何?」 大男が声に反応する・・・ 大男「・・・!!・・・し・・・ず・・・く・・・コ・・・ロ・・・ス・・・」 しずく「ふふっ・・・残念ねぇ~、貴方に私は殺せないわ」 大男が身体を動かそうと暴れるが、磔の頑丈な拘束がそれを許さない。 大男「コロ・・・ス・・・し・・・ずく・・・コロス!!」 しずく「くすくす・・・最早ただの実験体の鬼の貴方じゃ無理よ・・・私は殺せない、元の高畑和正にも戻れない・・・ねぇ?今どんな気持ち?」 大男「ゴアァァァァァ!!」 大男が激しく身体を揺らす・・・しかし、磔はビクともしない・・・ しずくはそれを見てニヤニヤ笑っていた・・・
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