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「そっか、ありがとう」
私は急いでグラウンドに向かった。
それを周りの一年生が不思議そうにみていたことも気にせずに
グラウンドにつくとトラックをひとりで黙々と走っている人がいた。
それは赤城薔だった
邪魔しちゃマズいなと思いながらも、大声で彼の名を呼ぶ。
「…薔!!」
その瞬間、走るのをやめ声がしたほうをみる。 私に気がついたのか少しずつ近づいてきた。
「畝那じゃん、どうした?」
走りつづけていたせいで薔は息も上がり、汗だくでいた。でもその汗が照りつける太陽が照らし輝いてきれいなものだった。
「練習の邪魔だった?」
「いや、今休憩しようと思っただけ」
薔は肩にかけていたタオルで汗を拭う。
私はそんな彼を見ながらあの事をどう言おうか言葉を失う。
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