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その日は暖かな風が吹き、鳥たちは歌い、強く眩しい太陽の日差しが降り注いでいた。
海を良く見る事が出来る整備された山道を二人の少女が歩いていた。
「でね~私そのタイミングでうっかり転んじゃって・・・」
「全く、春香らしいわね」
楽しそうに話をする少女の名は「天海 春香」、その話を仕方なさそうに聞いている少女の名を「如月 千早」と言った。
二人が住んでいる島の名前は「竜宮島」と言う名の大海原に浮かぶ島である。
島民は2000人程度で緑が溢れる、とても穏やかな島であった。
「それでね?その時、響が・・・」
「春香・・・良くそんなに話が出来るわね」
千早が不思議そうに春香に尋ねる。
「そう?毎日楽しいから自然と話題も出来るし、何より千早ちゃんとお話する事が楽しいよ!」
と春香が目をキラキラさせながら満面の笑みで千早に振り向いた。
千早は友達として春香をとても信頼していた。
千早も春香も幼い頃に両親を亡くしてしまい、一人で生きて来た。
同じ境遇に立ってしまった二人はお互いを他人のようには見ることが出来ず、いつの間にか親友として関係が成り立っていた。
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