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私は細川歩。
めぐりヶ丘高等学校に通う高2。
今日も毎日と変わりない朝をむかえた。
車に乗り、学校まで送ってくれた母。
相変わらず今日も学校は騒がしい。
隣の席から、「今日、転入生来るんだってー。」
という会話が一瞬、聞こえた。
へぇ~どんな人なんだろ…
まぁいいや。
歩は、誰一人友達がいない。
喋る相手もいない。
譬え喋ったとしても、すぐに話が尽きる。
そんなことを考えていたら、担任が教室に入ってきた。
朝の会が始まった。
担任が喋り始めた。
『え~おはようございます。今日は転入生を紹介します。』
教室のドアを開け、入ってきたのは…
私とそっくりな人物だった。
自己紹介。
「細川歩といいます。どうぞ仲良くして下さい。」
えっ…私と同じ名前…
担任が余計なことを言う。
『同性同名!すごいなぁ!みんな間違えないように呼ぶんだぞ~!』
また、教室が五月蝿くなってきた。
転入してきた歩の方に女子達が寄せ付けられていく。
{どこに住んでるのー?}
{誕生日いつー?}
{血液型はー?}
その会話を私は盗み聞きした。
驚くことに、住んでる所も誕生日も血液型も一緒だった。
その歩が言った。
「私と同じ名前の子って、どこにいますか?」
ヤバい!
私は教室を出て音楽室の隠れ家に隠れた。
足音…
息を殺した…
「みーつけた。細川歩ちゃん。」
バレちゃった…
「なんで隠れたの?」
・・・
「だよねー同じ名前だもんねー。」
喋り方も一緒。
[なんでわかったの?]
「あんたが考えてることは全て読んでる。」
ばっかじゃないの…
「今、ばっかじゃないの…って思ったでしょ。」
[うん。]
「私は歩ちゃんと仲良くなりたいからここまで追いかけてきた。」
[そっか]
「何その返事…」
・・・
「まぁいいや。これからゆっくり語りましょ。」
[うん。]
それからの私と転入生は、3時間ほど喋っていた。
誕生日も、血液型も、趣味も、特技も、生まれた時間も、好きな教科も、嫌いな教科も…
ヤク…というか、全てが同一した。
なんだか少し怖くなってきた。
体調が悪いと言い訳をして転入生と別れた。
そして学校を立ち去った。
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