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伸びていた靭帯は、ちぎれてしまっていて、有無を言わさずギブスを巻かれた。
手術にならなかっただけマシだと言われたけど。
「早く治るといいね」
「あぁ」
結果的には、俺は優衣との約束を守れなかったけど、もしかしたらその結果以上のものを得たかもしれない。
いつも俺を支えてくれていた優衣に、感謝の気持ちを込めてインターハイに連れていきたかったけど。
一番重要なのは、きっとそれだけじゃなくて。
本当に大切なものは、目に見えない気持ちや思い、そしてそれを伝えることなのかもしれない。
ふと、そんなことを思った。
「これからも雄人のこと、応援してるからね」
一瞬、何の応援?と思ったけど、
「あぁ、頼むよ。ありがとな、優衣」
精一杯心を込めて礼を言うと、優衣が笑顔になったから、俺も思わず笑った。
END
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