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すると隣に座っていた大樹が微笑みながら、私に耳打ちをしてくる。
「何か、凄く矛盾している好みだね。」
「ふっ……本当だ。」
そんな私たちの仲睦ましげな姿を、月島君は目敏く突っ込み始める。
「ちょっと、紗智さん！！ 自分だけ幸せになっていないで、可愛い後輩のためにも一肌脱いで下さい！！」
「えー、無理。大樹、誰か女の子紹介してあげなよ？」
冗談半分で話を振ってみただけなのに、真面目な彼は、真剣に何かを考え始める。
そして暫く黙り込んだ末に、爽やかな笑顔で言った台詞。
「あーごめん。無理だわ。だって俺、紗智にしか興味ないし。」
その言葉に、私以上に顔を真っ赤にしたのは、何故か言われた側の月島君だった。
「甘い…甘すぎる……。」
「俺には到底、真似できない……。」
絶対に、冷やかして来るだろうと思っていたのに。
瑠里ちゃんと大槻君は、その台詞に圧巻されたかのように、そう呟くだけだった。
そして尊敬の眼差しで大樹を見つめていた月島君の、本気にも捉えられる言葉。
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