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「弟子にしてください。」
「えっ……!?」
突然の真剣な申し出に、かなり戸惑っている様子の大樹は、目線で私に助けを求めてきた。
けれどもお酒の入っていた私は、からかうように窘める。
「折角なんだし、弟子にしてあげたら?」
「……。」
私の言葉に、大樹は困ったように微笑み続けるだけだった。
それから3時間もすると、誰一人としてアルコールに強くない私たちは、見事に酔い潰れてしまった。
最後まで素面で居続けたのは、ザルの大樹だけ。
泥酔しきった私たちを、まるで世話役のように介護をし始めていた。
普段は使っていない残りの一部屋に、3人分の寝場所を用意して全員を連れて行く。
「紗智、歩ける?」
「うん。」
「じゃあ……下村さんのこと、運んであげて?」
そう言いながら、月島君を肩で担ぎながら部屋へと連れて行く。
同じように私も覚束ない足取りながら、瑠里ちゃんを部屋まで運んだ。
ちなみに、お酒に弱い大槻君は1時間前にダウンして、今では既に夢の中だ。
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