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「あー、慶介ー!!」
大槻君の寝ている姿を見つけると、その上に躊躇いなくダイブする瑠里ちゃん。
一見、ラブラブ満載のふたりに見えたけれど……
「あたし、大樹さんとけっこんするー!!」
その光景とは裏腹に何故か、とんでもないことを言い始める。
ただの酔っ払いの戯言で、明日になれば忘れているに違いないけれど、そんな冗談に反発したのは私……ではなく、月島君。
「だめだ!!大樹さんは、おれのものだ!!」
「月島さんには、慶介をプリーズしちゃいますー!!」
瑠里ちゃん、大槻君の前でそれはないよ……。
そして月島君、大樹は私のものだってば。
ふたりの呆れた言い争いに、まだ少し冷静さの残っていた私は、頭の片隅でそんなことを思っていた。
3人が寝静まるのを見守って、大樹と一緒にリビングの片付けをしていた。
「紗智は、まだ大丈夫?」
「あ、うん。」
「確かに、少し控えめだったな。」
開けっ放しになっている柿ピーの封を閉じていると、グラスを洗い終えた大樹が私の傍へとやってくる。
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