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「さむっ!!」
思わず声が出てしまった。部屋を出た瞬間刺すような寒さが少年を襲う。
少年の住居は学生専用の集合住宅のようなものだが、値段だけで選んだため極端にボロい。
そして今は冬真っ盛りなため部屋の外に出れば当然寒い。
それでも少年には外に出る理由があった。
少年――アップル・レイハートはこの秋から芸術の専門学校に通っている。
朝と夜の境目のこの時間に作品のヒントがあるのではないかと毎日うろついているのだ。
部屋には今まで書いた作品を多数置いてある。
そのどれもが評価されたことはないが、認められる日を夢みて今日もまた絵の題材になりそうなものを探しているというわけだ。
はく息は白い。周りを見渡しながらゆっくりと歩み始める。
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