0人が本棚に入れています
本棚に追加
戦火の光が見える方に向かう。
「おっと」
流れ弾が飛んできたのを避け、敵機の残りを確認する。
あと、二機だ。
そのとき目の前で軍の機体が落とされ、爆発が起こる。
「なっ」
軍の機体を落とした敵機が、こちらを認識して襲いかかってくる。
「脱出はできたのか?」
そう呟く。
「いえ、たぶん……」
隣でギンが言う。
見ると何かに耐えているような、そんな表情をしていた。
「大丈夫、俺が守るから」
自分への強がりも含め、ギンを安心させるためにそう言う。
そうでもしなければ戦えない。
これは、戦争なんだ。
ここにきて、ようやくそう感じる。
相変わらず相手は距離を取った射撃をしてくるため、またしても防戦になってしまう。
「さっきのをもう一度。
いけるか?」
自分自身に尋ねる。
いずれにしろ、やるしかない。
己の想いを高める。
俺が戦う理由。
戦える理由。
「ギンを、守るんだ……」
言葉にすると、不思議と想いが高まる。
「せぁ!」
ライフルを避けると同時に、距離を詰める。
そのまま相手を切り払った。
「よし、後一機」
その勢いのまま残りの一機のところに切り返す。
まだ軍の機体が戦闘していたところに割り込み、切り込もうとしたとき、目の前をビーム砲がなぎ払った。
こちらに注意をとられていた敵機に直撃して、爆発が起こる。
ビーム砲がとんできた方角を見ると、戦艦が見えた。
「あれは……」
最初のコメントを投稿しよう!