一章 出逢い

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外に出ると、日は沈み月が出ていた。 満月である。 空にかかる月をそこはかとなく愛でながら、今日の夕飯はどうしようかと考えていた。 異変が起こったのはそんな折りである。 空から白銀の軌跡が降下してくる。 よく目を懲らすと、朧気ながら「人型」であることが確認できる。 どんどん軌跡は地上に近づき山の方へ降りていく。 何故か反射的に山に向けて走っていた。 「このあたりか……」 確認するように呟く。 不思議と確信できる。 あの機体はここにあると。 少し先に進むと視界が開ける。 そしてそこに横たわっていた。 白銀の「人型」。 現在アイゼン・インダストリーで造られているものとはフォルムが違う。 過去の資料にもなかったはずだ。 機体に向けて足が進む。 単純に惹かれたのである。 機体の美しいフォルムに。 あるいは機体の放つ魔力に。 突然コクピットが開いた。 青みがかった綺麗な銀色の長い髪を持つ女性の姿が見える。 しかし気を失っているようだ。 起こそうとして肩を揺する。 「……ん」 身じろぎをして動き出したので、パッと手を引く。 うっすらとその目を開け、彼女は言った。 「……あっ、おはようございます」
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