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そんなことを笑顔で言われても困る。
が、このまま何て呼べばいいかもわからないよりはマシかもしれない。
少しの間考える。
「ギンっていうのはどうだ」
「ギン、ですか?」
「昔の言葉だよ。
俺の名前も昔の言葉なんだ」
「どうゆう意味なんですか?」
「えーと、君の髪の色は銀色だろ。その色のことを昔、俺が住んでいる場所ではそう言ったらしいんだ」
なんだかこっぱずかしくなってくる。
なんで俺が女の名前をつけなければならないのか……
「私の、髪の色……」
そう言って彼女は自分の髪を軽く梳く。
サラサラしていて綺麗な髪だと思う。
「いい名前だと思います。私、気に入りました」
「それはよかった」
「私の名前はギンです。よろしくお願いします、ハルトさん」
「ああ、よろしく」
なにをよろしくしたのかはわからないが、互いに頭を下げる。
頭を上げで彼女、ギンを見ると、月明かりに青みがかった銀色の髪が照らされていて、綺麗だなと、また思った。
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