一章 出逢い

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突然目の前にあるディスプレイに光がともった。 そこに文字が浮かび上がる。 [ETERNAL SYRTEM] 「エターナル、システム……?」 確かこれも昔の言葉、英語かなんかのはずだ。 「とりあえず動けばなんでもいい。これでっ」 操縦桿を握り足下にあるブーストをふかす。 機体が浮いた。 そのまま上昇し、空にたどり着く。 そこでドンッ、と機体が振動が走る。 どうやらさっき墜落した機体を追跡した敵機の攻撃のようだ。 「ギン、大丈夫か?」 「私は大丈夫です」 敵機を正面に捉える。 見たことがない機体だ。 基本はアイゼン・インダストリーで造られているものと同じのようだが、進化系等が違うという印象を受ける。 「いきなりなご挨拶だ」 機体の武装をディスプレイで確認する。 どうやらこの機体特有のエネルギーを凝縮して固体化した近接戦闘用の剣らしい。 「クロノスブレード…… これでいけるか?」 剣を構える。 が、相手が使用していたのは射撃武器である。 どうにか距離を詰めなければならない。 「…っ、避けてください!」 敵機がこちらに向かいライフルを撃つ。 青色の閃光が走った。 反射的に機体を動かし、辛うじてその銃撃を避ける。 「ビーム兵器か!?」 まだ実用化されていない研究中の兵器なはずである。 さっきはあんなものが直撃して、無事だったのだからこの機体の性能が伺い知れる。 機体反応の良さといい、アイゼン・インダストリーで造っている機体とは性能差が大きい。 もし今日乗っていたあの試作機だったら、すでに死んでいることだろう。
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