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なんか気を失っちゃったみたい。
というより勝手に歩いてどっか行っちゃわないでよ、もう…。
捜すの大変だったんだから…。
少年の頬を突いてみても、起きる様子はない。
ちょっとそのままいじり続けてみる。
「…………」
私、人に触れたのっていつ以来だろう。
最初はびっくりした。
朝、海岸を辿っていったら人が倒れてるんだもん。
死体かと思ったらちゃんと生きてたし。
森の中に葉っぱ敷いて寝かせてる間に食料採ってきたらいなくなってるし。
海岸に行ったらやっぱり足跡発見。
にしてもあの崖登れちゃうんだ…、すごいな。
森に入って、日がくれて。
また倒れてるのを見つけた。
しかも漆の上に横になっててさ。
しょうがないからおんぶしてみたけどちょっと重かったり…。
念のため漆の実も摘んで帰ってきて、しばらくしたら目を覚ました。
そんな感じかな。
なのにまた気絶しちゃうし…、何なんだろう、もう…。
もっとおしゃべりしたいな。
近くの太い幹に寄り掛かって、男の子の方を見る。
「私と同じくらいの歳かなぁ…。」
といっても、私何歳かわからないんだけどね。
変に緊張したな、今日は。
疲れたのと火の温かさでウトウトしてきた。
「ふわぁ…もう寝よ…。」
この子がいるからテントに戻るのも悪いし…今日はここで寝ちゃおう。
火はつけておいた方がいいかな。
「…じゃあ、ゆっくり休んでね。」
それだけ言って、私もゆっくりと瞼を下ろし、静かに眠りについた。
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