緊急家族会議です。

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「KIYO‥大丈夫‥?」 もうすぐ野田さんが お迎えに来る時間だった‥ KIYOは‥ さっきとは打って変わって 赤い顔をしていた。 そっとKIYOの額に 手をあててみた。 「真理‥‥」 ‥熱い。 KIYOの額も‥ 私の手を握るKIYOの手も‥ コレ‥知ってる。 知恵熱だ‥ KIYOは深く物事を考えると 熱が出る。 前にも一度‥ 同じ事があった。 あの時の熱の原因は‥ 私だったけれど‥ 今回は‥ 間違い無く花音ちゃんだ。 KIYOの大切な妹。 妹と言う名の KIYOの生きる全て‥ 花音ちゃんは‥ KIYOの命の炎‥ 花音ちゃんが消えたら‥ KIYOの命の炎は消え KIYOは‥ 生きていけなかっただろう‥ 少なからず‥ 今は‥ 私もKIYOの 命の炎だと‥ そう思っている。 「KIYO‥熱い‥ 体温計持って来るから‥」 「いいっ‥!真理っ‥」 立ち上がりかけた私の腕を 何時もより熱いKIYOの手で 引き止められた‥ 「‥そばにいろ。」 KIYOの目は‥ 有無を言わせない力があった。 狼の様な目‥ 私はベッドに腰をかけた。 「花音は‥?」 KIYOは私の手を握ったまま 力無く言った。 狼の様な目では無く‥ 哀しさと‥淋しさと‥ 申し訳無さが 混ざり合った様な‥ 子犬の様な目で‥ 「部屋で宿題してる‥」 私はKIYOの熱い頬に 触れながら言った。 そんな目を‥しないで‥ 今すぐ‥ 抱きしめてしまいそうだから‥ 「カラオケ‥やめたのか?」 KIYOは 私の手に熱い手を重ねた‥ 「あれじゃ 行くに行けないわよ‥」 「そっか‥。」 KIYOは‥ フフ‥っと笑った。 「なぁ‥真理‥ 花音の好きなヤツって‥ どんなヤツ‥?」 KIYOは私の腕を引き 私はKIYOの横に すっかり寝かされてしまった‥ 「言ったんだろ? 真理には‥」 KIYOは片腕で頭を支え 私を見下ろして言った。 「ぅん‥私から聞いた。」 「教えろ。 も~ぶっ倒れねぇから‥」 KIYOはまた‥ フフ‥っと笑った。 花音ちゃんが‥ 私に彼の事を話した事も‥ 花音ちゃんが 彼の事を好きな事も‥ KIYOには‥ 全部お見通し‥ きっと‥ 全部お見通し過ぎて‥ 痛いんだ。 花音ちゃんも‥ きっと‥ 同じなのだろう。 お互い‥ わかり過ぎて‥ 痛いんだ。 痛い程‥ 気持ちがわかる。 と言うのは‥ この最強兄妹の為に ある言葉かも知れない‥
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