血縁‥

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「総大将がそんな弱点を 自ら言うモンかね‥?」 やっぱり大先生は笑った‥ 「ウチの社員を 買収しますか?」 「いや‥結構。 頭のイイ人間は使いにくい。 それより‥アナタ‥ 政治家にならんかね?」 「ハア~~っ!!?」 とんでも無い声が出た。 「アナタは‥ 実に政治家向きだ‥ それに‥キミも‥」 KIYOは俺みたいに とんでも無い声を出す事なく 黙ってフッっと笑った‥ 「君達には‥ 人を動かす何かがある。 特に‥その目がイイ。 私も‥久しぶりに‥ 本気になった‥。 若い頃を思い出したよ‥」 「大先生の威厳とオーラは まだまだ現役さながら 迫力がありましたよ‥」 「いや‥私はもうダメだ‥ 私の目は‥いつの間にか 曇ってしまった‥ 大切なモノが‥ 見えないくらいね‥」 大先生は自嘲気味に笑った‥ 「都築‥清雅‥と言ったね。」 「何だ‥?柳沢大吾郎‥」 「キミの大切な妹に‥ 会わせてはくれないだろうか‥孫としてで無くてイイ。 キミの‥妹に‥会いたい。 血では無く‥ 固い絆で結ばれた‥妹に。」 大先生は‥ KIYOに頭を下げた‥ 柳沢夫妻は‥ 驚きながらもホッと肩を 撫で下ろしている様だった。 「会ったら最後‥ 手離したくなくなるくらい 可愛い~ぞ。 ちゃんと返せるなら‥ 会わせてやる。」 「そ~か‥ そんなに可愛い~か‥(笑) もし‥私の気が変わったら‥ その時は‥ 私の首をかっ斬ってでも 妹を連れて帰れ‥(笑)」 「言われなくても そ~する。 俺が楽にしてやるよ‥」 KIYOも‥ フフっと笑った‥ 「そ~だ‥いい考えがある‥ キミ‥私の養子にならんか? そうすれば‥ 兄妹離れる事は無いだろう?」 大先生は‥とんでも無い事を サラっと言った。 「丁重に断る。 俺は既に大黒さんだ。 大黒さんの 掛け持ちはできねー。」 大先生はキョトンとした‥ そりゃそ~だ‥ いつから七福神になったんだ? きっと‥大黒柱の事だろう‥ 俺はボソッと大先生に 解説した‥ 「そ~か‥ キミは先日 入籍したんだったね‥」 「ん‥? ジジイ‥俺の事‥ 知ってたのか?」 ヤッパリ‥。 大先生は‥ 顔を真っ赤にして 咳払いを一つした‥ マグマの様な赤では無く‥ リンゴの様な‥ 可愛い赤だった。
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