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「ボスぅ~っ!!
助けて下さ~いっ!!」
平蔵はいかにも人相の悪い
SP二人を
追い掛け回していた。
ジジイは実に楽しそうに
笑っていた。
コレが貴族の遊びか?
ゲッスイなぁ~
俺がピィーー!!っと
指笛を鳴らすと
平蔵は俺の所に戻って来た。
何で俺‥
こんなに懐かれてんの?
意味が解らん。
「社長‥都築様。
本当に有り難う御座いました」
柳沢夫妻は深々と頭を下げた。
「なぁ‥ジジイって‥
ホントに
くたばりかけなのか?」
ど~みても
まだまだ生きそ~だけど?
「そ~ですね(笑)
見えませんよね‥
私達も‥久しぶりに
見ました。御父様の
あんなに元気な姿‥
もしかしたら‥
まだまだ生きるかも
知れませんね(笑)」
お前ら夫婦の笑った顔も
初めて見たよ‥って
言い返しそうになった。
「誰が死にかけだってっ!!?」
ジジイの耳はイイみたいだが‥
「死にかけとは言ってない。
くたばりかけだ‥」
「まだ死んでたまるかっ!!」
「だから‥くたばりかけだ。」
「どっちでもイイわっ!!!
花音ちゃんに会うまで
くたばれるかっ!!」
「花音に会った瞬間
可愛い過ぎて
ショック死すんなよ‥
花音に衝撃映像見せんなよ。
それに後味が悪いからな。
トラウマとやらになったら
大変だ‥
虎と馬だろ?
いくら花音が可愛いからって
虎と馬って‥
ど~ゆ~事だよ?って話だ。」
何故か‥
みんなに笑われた‥
ウンウンと頷いていたのは‥
SPと‥平蔵だけだった。
「ヒィーーーっ!!!!
失礼しましたぁ~
また‥改めて御連絡
致しますので‥ヒィー‥」
このタコっ!!
何時まで笑ってんだよ‥
泣くなよっ!!
「都築クン‥」
「KIYOでイイよ‥ジジイ。」
気持ち悪いんだよ‥今更。
「KIYO。
コレを花音ちゃんに‥」
ジジイは俺にロケット付きの
ネックレスを手渡した。
そして‥
そのロケットの中には‥
生まれたての花音を抱いた
一人の女が写った写真が
入っていた。
「皐月が‥ずっと
身につけていたそうだ‥」
「‥‥‥解った。
確かに‥預かった。」
俺は‥
その金色のネックレスを
ギュッと握りしめ‥
柳沢邸を後にした。
花音に‥
告白するべく‥
家路へと向かった。
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