告白‥

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「花音‥。 無理だったら‥ 正直に言えよ。 一度に全部 無理矢理話を聞かなくて いいからな‥」 「うん。解った。 ギブ。って言う。」 「ん。」 そう前置きをして‥ 俺は‥ゆっくり花音に 話し始めた。 花音が生まれる‥ ほんの少し前の事‥ 花音の母親との出逢いから‥ 俺の罪‥ 花音が生まれてからの事‥ そして‥ 花音の母親の真実と‥ 柳沢家の人々の事‥ ゆっくり‥ 時間をかけて‥ 全てを語り尽くした。 花音は‥ ギブ。と言う事なく‥ 青い瞳を真っ直ぐ向けて‥ 俺の話を最後まで聞いた。 「お兄ちゃん‥アリガトー‥ アリガトーお兄ちゃん‥ 私‥やっぱり‥ お兄ちゃんの家族で 良かった‥お兄ちゃんの妹で 良かった‥アリガトー‥」 花音は‥ ポロポロ泣きながら‥ 俺の胸に飛び込んで来た。 いつもみたいに‥ 泣いてないモンっ!!と 隠す様に‥俺の胸に 飛び込んで来た。 「花音‥我慢しなくていい‥ いっぱい泣いていいんだぞ‥ お兄ちゃんも‥ 我慢しないから‥」 俺も‥泣いていた。 「うんっ‥」 花音はコクンと 首を縦に振ると‥ 赤ん坊の様に‥ ワアワアと泣き出した‥ そ~いえば‥ 花音は‥赤ん坊の時から 滅多に泣かなかった‥ ホントに 手のかからない子だった‥ 今やっと‥ 花音が‥泣いた。 今までの‥我慢や‥遠慮や‥ 不安や‥淋しさを‥ 全部吐き出す様に‥ それは‥ 俺も‥一緒だった。 俺は泣きながら 花音の背中をさすり‥ 花音はワアワア泣きながらも 俺の背中をさすっていた‥ 俺と花音の涙が溶け合って‥ カラダも 溶け合うかの様だった。 やはり‥ 花音は俺のカラダの 一部なんだと‥ そう思わずには いられなかった。 また‥ 花音との“心縁”が 深まった。 より色濃くなった。 もう‥ いつ花音が‥ 俺のカラダの一部じゃ 無くなっても‥ 大丈夫。 俺の中に刻まれた 花音との“心縁”は‥ 消える事は無い。 俺の中で‥ ずっと‥消える事無く 流れ続けている。 赤い血の様に‥ 花音は‥ 俺の中で‥ ずっと俺を生かし続ける。 俺が‥ 灰になるその日まで‥ 花音は‥ 俺の家族だ。 可愛い‥妹だ‥。
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