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「お兄ちゃん‥
私のお兄ちゃんになってくれてありがとう‥
私はず~っと‥
お兄ちゃんの妹だからねっ♪」
花音は‥
そう言うと
俺の首に手を回し‥
ギュッと抱きついてきた‥
“お兄ちゃん‥
これからは‥ずっと‥
一緒だよっ♪”と言って‥
俺の所に戻って来た
あの日の様に。
花音は‥
あの日と全く変わらない
花が咲いた様な笑顔で‥
俺はまた‥泣けてきた‥
「花音‥俺‥頑張るっ!!
花音のお兄ちゃん‥
頑張るから‥
ずっとずっと
花音のお兄ちゃん頑張るっ。」
「うん。うん。
でも‥お兄ちゃんはもう‥
頑張ってるよ。
お兄ちゃんは‥
頑張ったから‥もう‥
頑張り過ぎないでいいよ。」
花音は俺の頭を
ナデナデした‥
それって‥
「も~‥
花音離れしろって事‥?」
また‥泣ける。
「そ~じゃないけど‥」
「そ~じゃないけど‥何?
お兄ちゃんウザイ?」
ヤダヤダっ!!
花音にウザイゆわれたら
生きてけないっ!!
「ウザく無いよっ。」
良かったぁ~‥
寿命が延びた‥
「たまに‥めんどくさい♪」
ガーーーーーーン‥‥‥
めんどくさい。
めんどくさい。
めんどくさい。
ダメだ‥
意識が‥
息が‥息が‥デキない‥
「お兄ちゃ~~んっ!!
帰って来てぇ~~っ!!」
花音の呼ぶ声が‥
微かに聞こえる。
花音‥
めんどくさいお兄ちゃんで‥
ゴメンナサイ‥。
めんどくさいお兄ちゃんは‥
今‥お花畑にいるよ。
川が見えるよ‥
バシッ!!バシッ!!バシッ!!
「KIYO~~~っ!!!!!」
痛い。
ほっぺがすごく痛いよ‥
「真理‥」
「何やってんのっ!!
花音ちゃんが心配して
泣いちゃってんでしょっ!!」
怖いよ‥。
さっきまでの
聖母様じゃないよ‥。
「お兄ちゃ~~んっ!!
“めんどくさい”ゆって
ゴメンナサ~~イっ!!」
花音は‥ワンワン泣いていた。
また‥めんどくさい
ゆわれた‥。
けど‥
「花音~~っ!!
死にかけてゴメンナサ~イ!!」
俺は‥
上手に泣ける様になった花音を抱きしめた。
上手に‥
思いを伝えられる様になった
花音を‥。
俺は‥
やっぱり‥
もっと頑張らないといけない。
花音の思いを受け止めても‥
死にかけない様に‥
真理の往復ビンタを
受けないでいい様に‥
いつの間にか‥
真理はまた‥
聖母様の顔で笑っていた。
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