告白‥

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テーブルには 弁当屋で頂いたであろう コロッケや唐揚げが 並んでいた。 以前なら‥ それだけだっただろう。 しかし‥ ネオ母ちゃんは‥ 味噌汁とサラダ それに煮物にも チャレンジしていた。 「どう‥?どう‥?」 「ん‥。食えるよ。」 「食えるって‥ 美味しいとか‥不味いとか‥ 具体的に言ってよ~」 何だそのリアクション‥ 俺の彼女かよ‥ 「味噌汁は煮込み過ぎ。 サラダって言う キュウリのサイズじゃ ね~だろ? これじゃキュウリの 漬け物サイズだ‥ 煮物は‥何か足りない。 出汁取ったのか? でも‥食えない事は無い。」 絶対‥満島には 言わない事を ズバッと言ってやった。 「頑張って‥作ったのに‥ 母ちゃん‥成長期の アラタの為に‥ 見よう見まねで‥ 作ったのに‥」 ウッ‥‥ そんな‥半泣きになる事か? だいたい‥ 見よう見まねって‥ 見よう見まねで 出来るタイプじゃね~だろ‥ そんな事出来たら とっくに上達してんだろ? 「泣くなよっ!! 食えるっつってんだろっ? 別に不味いとは 言ってね~だろがっ!! 母ちゃんにしたら‥ 上等だよっ!!」 俺はガツガツと 口に突っ込んだ。 「ウグッ‥!!」 詰まった!!詰まったっ!! 「アラタっ!!水っ!! ホラっ!!お水飲んでっ!!」 母ちゃんが俺に水を飲ませ 俺の背中をさすった。 何じゃこりゃ‥? まるで‥おままごとだ‥。 こんなだから‥ 毎回恥ずかしくなって‥ 直ぐに自分の部屋に入って‥ 肝心な事が いつも聞けない。 今日もそのパターンか‥ と‥思ったら‥ 話は思わぬ方向へと流れた。 「アラタ‥ どんどん似てきたわ‥ あなたの父親に‥」 何と‥ 母ちゃんから‥ 俺の父親の話を切り出した。 「何で‥ 何でそんな話‥すんだよ‥」 俺は‥ 心とは裏腹な事を言った。 きっと‥ 心の準備が出来てないのと‥ 恥ずかしいのと両方だ‥ 「アラタを見てると‥ 思い出すからよ。 あなたの父親の事。 アラタ‥ 本当はずっと‥ 知りたかったんでしょ?」 「別に‥」 ここまで言われても‥ まだ素直になれない自分が 更に恥ずかしい‥ 「そう‥。 じゃぁ‥母ちゃんの 独り言って事でいいわ‥」 そう言って‥ 母ちゃんは 独り言の様に語り出した。
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