告白‥

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「失った‥って‥ 死んだのかよ‥?」 俺は‥ 母ちゃんの独り言に 初めて質問した。 「それは‥わからない。 生きてるか‥生きてないか‥ 母ちゃんにも解らないの。」 母ちゃんは‥ 淋しさを隠す様に 少しだけ笑った。 「じゃぁ‥何で‥」 母ちゃんは‥ Alexを失ったんだ? 「一言で言えば‥浮気。」 「ハ‥?」 俺は‥変な声が出た。 一言で言い過ぎだろ? 浮気って‥ Alexの野郎‥ 浮気って‥ そんなの‥アリかよ? 俺は‥ 崖から 突き落とされた気分だった。 「フフっ‥ アラタは本当‥ Alexにそっくり‥」 カッチーーーンっ!! 「似たかね~よっ!! 俺は浮気なんてしねーし 一途な男なんだよっ!! フタマタ野郎と 一緒にすんなっ!!」 俺はそんな血 ゴメンだからなっ!! 「そ~なの‥ Alexも‥一途だったわ。」 何言ってんだ? も~‥ 言ってる意味がわからん。 「フタマタなんて‥ デキないのよ‥ 元々‥一途で‥ 真面目な男だから‥ だいたい一回くらい どってことないのに‥ そもそも‥ 私にも原因があったし‥ 私は‥Alexと別れる事なんて‥想像も出来なかったのに‥」 オイオイ‥ ここにきて マジで独り言かよ‥ 全然わかんねーし‥ 何ひとりで 感傷に浸ってんだよ‥ 「ちゃんと説明しろよ‥ 後味悪いだろ‥」 「そ~ね‥ このままじゃAlex‥ ただのフタマタ野郎に なってしまうわね‥」 お前が言ったんだろがっ! 母ちゃんは 愛した男がただの フタマタ野郎ではナイ事を 必死に弁明した。 Alexは イイ男だったらしい。 モテモテだったらしい。 強豪ライバルが大勢いる中で 母ちゃんはAlexを射止めた。 そんな自慢話はいいのだが‥ Alexは真面目で 浮気や股をかける様な男では 無かった。 じゃぁ‥なぜ? WHY‥?である。 それは‥ 母ちゃんの重過ぎる愛情と‥ Alexの男のプライドが 生み出してしまった 一度限りの過ちだった。 その一度限りの過ちが‥ 俺を苦しめる事になろうとは‥ Alexを‥ 自分の親父を‥ 心の底から 恨む事になろうとは‥ この時はまだ‥ 思いもよらなかった。
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