告白‥

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母ちゃんの愛は‥ 重たいらしい。 俺には何が重くて 何が軽いのかよく解らないが‥ 母ちゃんは Alexの夢を応援していた。 自分の夢の様に‥ そして‥ Alexの身の回りの世話を 甲斐甲斐しくやった。 金銭的な面も含めて‥ 元々生真面目なAlexは それが我慢出来なかった。 いわゆる‥ “ヒモ”と呼ばれる事が‥ 許せなかった。 しかし‥ 母ちゃんはそれで満足だった。 私が何でもしてあげる‥ あなたの為に‥ あなたは何も 心配しなくていいの‥ あなたは夢の為にだけ 生きてればいいの‥ お金の事は心配しないで‥ 私が何とかするわ‥ 何だったら バイトも辞めちゃいなさい。 夜も路上で出来るじゃない。 きっと誰かの目にとまるわ‥ あなたは才能があるんだから‥ Alexは‥ 日本人より日本人らしい 男だったのかも知れない。 こんな都合のイイ話に 頭を抱えた。 どんどん自分が 惨めになっていく‥ Alexは‥ 母ちゃんと居たら‥ 腐ってしまう様な気がした。 そして‥ Alexは‥ 一番惨いやり方で‥ 母ちゃんに別れを告げる。 母ちゃんの親友と‥寝た。 母ちゃんは‥ 出勤前、何時もの様に Alexの部屋を訪ねた‥ Alexは‥ 母ちゃんの親友と‥ 同じ布団にくるまっていた‥ Alexは‥ “君を愛する資格は 俺にはもう無い。 君を‥心の底から 愛していたよ‥ でも‥君の愛が‥ 俺をダメにする‥ 俺は‥君を愛してるのに‥ 俺の夢が君への愛を 邪魔するんだ。 ‥君がいれば 夢なんてど~でもよくなる‥ でも君は‥ 俺の夢を応援してくれる‥ 苦しいんだよ‥ 君を愛すると‥ どんどん苦しくなる。” と‥言った。 母ちゃんは‥ Alexを説得した。 愛してるなら‥ どこにも行かないで‥ 私のそばにいて‥ 一度の過ちなんて 気にしない。 何も無かった事に出来るから‥お願いだから 別れるなんて言わないで‥ しかし‥ Alexは‥ 忽然と姿を消した。 母ちゃんは‥ しばらく仕事にも 出れないくらい落ち込んだ。 勿論‥その親友とも‥ 元の親友同士に戻る事は 無かった。 それから‥ しばらくして‥ 俺が出来た事が発覚する。 母ちゃんは‥ 新たな再出発をする。 実家を出て‥ 新しい街で‥ 神様がくれた‥ “新た”なスタート。 これが‥ 俺の名前‥ “新太”の由来。 神様がくれたプレゼント‥ それは‥ 新しいスタートラインだった。
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