宿命‥

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「ねぇ‥ 何で‥KIYOは そんな格好なワケ?」 「ァア~?しょ~がね~だろ?俺この後仕事だもんよ‥ 打ち合わせに タキシードとか着れるか? 頭おかしくなったと 思われるだろ‥?」 「そ~だけど‥ それにしたって‥」 「何‥?」 「御屋敷に行く 格好じゃないね♪ 普通だったら 摘み出されるね♪ ポイってされるね♪」 花音ちゃんは サラっと言ってしまった‥ 「ポイって‥ 花音に‥ポイってされた‥ ‥ポールっ!! 引き返せぇ~っ!! 今すぐ引き返せぇ~っ!! 着替えに戻るっ!!」 KIYOは‥ いっぱい穴の空いたGパンに ごっついブーツを履いた足で‥ 運転席のシートを ゴスゴス蹴っていた‥ 「マジですかぁ~? も~高速乗っちゃいました~」 「ァア~っ!!?」 世話のやけるボスだな‥ 私は花音ちゃんに 目で合図を送った。 「いいよ♪ポール。 戻らなくて‥ お兄ちゃん。 お兄ちゃんはそのままで いいよ♪ お兄ちゃんが摘み出されたら 私が拾ってあげる♪ 私が入れてあげるからね♪」 「花音‥アリガトー‥」 花音ちゃんは私に ウィンクをした。 ポールも小さい声で‥ 「アリガトー‥」 と‥言った。 ウッ‥‥‥ 何か‥気持ち悪い。 車に酔った? って‥まだ30分も 乗ってないのに‥ 「真理‥?どした? 腹でも痛いのか?」 「ううん‥ちょっと‥ 胸やけ?みたいな‥」 「ぁ~あ~。朝から 豚カツだったからなぁ‥」 それは‥ あなた達兄妹だけでしょ? 私は朝から 豚カツ食べれませんから‥ 食べてませんから‥ 「ホラ‥少しは楽になった?」 KIYOは私のドレスの 背中にあるチャックを 少し下ろしてくれた‥ 「ハァ~‥ ありがと‥だいぶ楽‥」 やっぱり‥ 胸がキツかったのかな? 随分と楽になった。 「奥方‥セクスィ~♪」 「見てんじゃね~よっ!! バカっ!!」 KIYOは‥バックミラーを あらぬ方向へ向けた‥ 「ボスぅ~!危ないです~! 運転出来ませ~んっ!!」 そりゃそ~だ‥ 「ァア~?それくらいで ゴチャゴチャ言うなっ!! ミラー1個ね~くらいで 騒ぐなっ!!」 無茶苦茶だ‥ KIYOは‥さらに‥ 運転席をゴスゴス蹴っていた‥ もし‥この時‥ 私の中の命に気付いていたら‥ KIYOは‥ こんな事はしなかっただろう。 バックミラー無しで 運転すんじゃねーよっ!! 安全運転しろっ!!!バカっ!! と‥言うに決まってる。
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