宿命‥

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ムフっ‥ ムフフフフっ‥ パパ♪だって‥ KIYOパパだって♪ ムフフフフっ‥ 「KIYO‥ 顔が緩みっぱなしだ‥怖い。」 「ァア~っ!!? しょ~がねぇ~だろっ!! 勝手に にやけてくんだからよっ!!」 しょ~がねぇじゃん‥ 嬉しいんだもの‥ 待ちに待った赤ちゃんが やって来たんだもの‥ はぁ~~♪ 俺と真理の赤ちゃん。 早く会いたい‥ ププッ‥ まだピーナッツみてぇだけど‥ププッ‥可愛いっ♪ 「KIYOさ~ん‥ 俺にも見せて下さい♪」 野田が振り返って言った。 三列シートの車の ニ列目に野田とオッサン 三列目を俺が 独り占めしていた。 「ァア~? ちょこっとだけだぞ‥」 俺は女医がくれた 可愛い赤ちゃんの写真を 野田に渡してやった。 「えっ‥? コレですかっ?」 ボコッ!!!!! 「コレってゆ~なっ!!! バカ野田っ!!」 頭をこついてやった。 「いや‥でも‥ 凄いですね‥コレが 真理ちゃんのお腹で 生きてるんですね‥」 ボコッ!!ボコッ!! 「だからコレってゆ~なっ!!」 ピーナッツちゃんと 真理の分もこついてやった。 「返せっ!!バカっ!!」 はあ~~♪ 何回見ても‥可愛い。 ピーナッツちゃんは 必死に生きてんだよ‥ 真理のお腹の中で‥ こんなにちっこいのに‥ 頑張ってんだよな‥ 「KIYOさん‥ 予定日はいつですか‥?」 予定日‥? はて‥? 何の事だろう? 「まさか‥ 聞いてないんですか?」 ウッ‥!! 「オイっ!!今すぐ戻れっ!! 引き返せっつってんだよっ!!」 俺は‥ 肝心な事を聞くの忘れた‥ そんな自分にムカついて‥ またそれを バカ野田に指摘された事に ムカついて‥ 野田のシートを ゴスゴス蹴った。 「ったく‥ 何を余計な事言ってんだ‥ せっかく ご機嫌さんだったのに‥」 「スイマセン‥」 「オッサン‥余計な事とは 何だ?聞き捨てならねーな‥」 俺はオッサンの方のシートも 蹴ってやった。 「わ~った!わ~ったからっ!今すぐ電話して聞いてやる!」 初めからそ~言え。 「KIYOっ!!スゴイぞっ!! 予定日は11月11日だっ!」 「1ばっかじゃん‥ すげぇ~っ!! オッサンっ!!10月から 一切仕事入れんじゃね~ぞ!」 オッサンは うん。ともムリ。とも 言わなかった。 ただ‥嬉しそうに笑っていた。
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