宿命‥

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私は‥ 恐る恐る上着を脱いだ。 黒いタートルネックのセーターにGパン。 いつもの格好が‥ こんなにも 恥ずかしいと思うのは‥ KIYOのせいだ。 KIYOは‥ 私をナメる様に 上から下‥下から上と‥ 悩殺する様な目で見ていた。 ある意味‥ どごぞのプロデューサーの方がマシかも知れない。 と思った‥ その時‥ KIYOの腕が伸びて来て‥ 私は息を止めた。 と言うか‥ 止まった。 KIYOが私の後頭部で縛っていたゴムをスルリと外した‥ 私の黒くて モジャモジャした髪が 解放されたかの様に バサッと広がった‥ するとKIYOは 私の首の後ろに手を入れて 解放された髪をスルスルと 指に通した。 私のカラダは‥ ビクッと反応してしまった‥ 冷たくて‥ 細く綺麗な指。 私の手より‥ ずっと綺麗な手。 私は‥まだ男性を知らない 私のカラダは‥ KIYOの手だけで 反応してしまった‥ 全身が熱くて‥ 熱がカラダにこもってる。 どうやって この熱を 放出させたらいいのか‥ わからない。 こんな状態なのに‥ KIYOはまたしても 私の赤いメガネを取り 私の中途半端な長さの前髪を グイッと上げて 私の顔をジィーーっと見た‥ 止めて‥ お願いだから‥ 止めて下さい! 私は耐えられなくて‥ 目をギュッと瞑った。 「開けろ。‥目。開けろ。」 KIYOの息がかかる‥ 目を瞑って聞く KIYOの声は‥ 脳天を突き刺す様な‥ それでいて‥ 心地のイイ‥ 何とも言えないイイ声だった。 ゆっくり目を開けると‥ 目の前に 琥珀の様な‥ 綺麗な瞳があった。 まつ毛‥長っ!! 私は‥ 瞬きも出来なかった。 この目で見つめられたら‥ きっと‥ みんなこうなるハズ‥ ぺシっ…!! 「ん‥。いいぞ。」 え‥? KIYOは私のオデコを ペシっとすると 社長の前にドカッと座った。 私はその場に 呆然と立ち尽くしてしまった。 「どうだ‥?」 「ん‥? とりあえず‥5キロ落とせ。 あと‥髪の毛何とかしろ。 それと‥メガネ。 んで‥ギター弾けんの?」 「少しなら‥」 「んじゃ‥完璧にして。」 全部ダメ。と 言われた気分だった。 私‥ 本当に大丈夫なんだろうか‥ こんな事になるなんて‥ ここまでは‥ 想像もしてなかったのに‥ 私は‥ 一気に不安に襲われた。 それでも‥ 彼等の会議は続いていた‥
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