宿命‥

17/33
前へ
/415ページ
次へ
一週間後‥ 妊娠8週目。 「ん~ん~‥ ピーナッツちゃん‥ 大っきくなってるかなぁ~‥」 KIYOは私のお腹に ピタリとくっ付いていた‥ 「そうね‥ 大っきくなってるといいね‥」 KIYOは‥ 時間が少しでも空いたら 戻って来て‥ 私にくっ付いていた‥ と言うか‥ ピーナッツちゃん (赤ちゃん)に くっ付いていた‥ 私は‥ と言うと‥ 本格的につわりが始まって‥ 匂いに敏感になり‥ お腹が空くとムカムカして‥ やたらリンゴばかり 食べていた‥ 妊娠前は あまり好んで食べなかった リンゴが今の私には ピッタリ合う様だった。 KIYOは毎日 バケツにいっぱいリンゴを 買って来てくれた。 まるで動物園の 飼育員みたいに‥ 私は‥ ゾウか‥ゴリラと いったところだろうか‥ 「KIYO‥時間だよ‥ ホラ‥行かなきゃ‥」 SPが迎えに来た。 「ん~‥ 俺も真理と行く~っ!!」 ど~しても 私と検診に行きたいみたいだ‥先日からずっと 同じ事を言っている。 しかし‥ ど~転んでも 仕事の都合で無理なのだが‥ 「ちゃんと写真 持って帰って来るから‥ すぐ連絡するから‥ねっ?」 私もずっと同じ事を 言っている。 「ヤダっ!!ヤダっ!!ヤダっ!! 俺だけ仲間外れなんて ヤダ~っ!!」 仲間外れって‥ 「わかった。 検診終わったら‥ その足で 事務所行くから‥」 「真理‥体調は‥? ゲポゲポは‥?」 「ずっと家にいるより 気分転換もしたいし‥ 久しぶりにみんなにも 会いたいし‥ 大丈夫。 リンゴ持って歩くから♪」 これは‥本当だった。 いくら広いと言え ずっと家にいると 外にも出掛けたくなる。 「ん♪待ってる♪ リンゴ大量に用意して 待ってる♪でも‥ ホントに無理すんなよ‥ 出掛ける時はちゃんと マスクしろ。あと‥ 手帳忘れんな‥あと‥」 KIYOは私にいっぱい 注意事項を述べた‥ そして‥ 「真理‥ピーナッツちゃん‥ 行って来る。」 私とピーナッツちゃんの分の キスをして出掛けた‥ KIYOは‥ 日々パパになっている。 母子健康手帳には‥ 『お父さんの名前』の欄に KIYOがデカデカと書いた “都築清雅”の文字と‥ 『お母さんの名前』 “都築真理”と言う字が 並んでいた‥ その下に‥ 『パパの妹』“花音♪” と‥付け加えてある。 KIYOは‥ 私よりこの手帳を 熟知していた。 まるで‥ バイブルの様に‥ 毎日読んでいた‥ パパは‥勉強家だった。
/415ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13793人が本棚に入れています
本棚に追加