宿命‥

21/33
前へ
/415ページ
次へ
ビックリした‥ まさか‥ ココでママさん‥ あ‥和美さんに会うとは‥ ライブハウスの女店長で‥ スタッフからも‥ お客さんからも‥ 愛され信頼されている。 社長からも‥。 しかし‥ 結婚はしていない。 和美さんには‥ 生意気だけど‥ KIYOに似た小学生の男の子が 一人いた‥ 清春くん。 ライブハウスにも しょっちゅう来てて‥ 清春ファンクラブもある程の 人気で‥ 社長と清春くんは‥ まるで親子だった。 親子だと思っている お客さんも少なくない。 ど~してか‥ まるで家族の様な 三人を見ているのは‥ ツラかった。 胸に棘が刺さってるみたいで チクチクした‥ でも‥ 和美さんはイイ人で‥ 清春くんも‥ 可愛いくって‥ それが余計に‥ 痛かった。 コンコン‥ 「ルイです‥。」 「ど~ぞ~」 社長はデスクに座って 資料の山に囲まれていた。 やっぱり二人きりは 緊張してしまう。 社長は‥私の事‥ 知らないから‥ 緊張する必要もないのだが‥ 「あの‥これ‥ 和美さんから‥預かりました」 「え‥?何で‥?」 「今‥エレベーターで‥ バッタリ会って‥」 「和美は‥?」 「それが‥お友達と ご一緒で‥」 「お友達っ!?」 「あ‥ハイ‥ 黒髪の‥ モデルみたいな‥とても 綺麗な人で‥」 社長は鼻に手をあてて 少し考え‥ 「ハハ~ン‥真理ちゃんか♪」 「あ‥確かそんな‥」 「パパんとこだな♪」 あ‥そう言ってた‥ 「あの‥パパって‥?」 「ぁあ~♪そのうち解る。 それより‥時間ないから 座って‥」 そのうちって‥ まぁ‥私には‥ 関係無い事か‥ 私は‥ 三人とは関係無い。 社長と和美さんと清春くん。 私には‥ 関係の無い事‥ そう思う事にした。 私は‥ 娘だと言う事を 黙っている事にした。 本来の目的とは ズレてしまったけど‥ 三人の関係を‥ 壊してまで 入りたいとは思わない。 そこに私の居場所は無い。 私は‥ 私の居場所を‥ 自分で作る。 KIYOに‥ “覚悟はあるか‥?” と聞かれ‥ そう決心したんだ。 何もかも捨てて‥ 生まれ変わる。 必ず‥ この手で‥ 自分の居場所を‥作ると‥。 私はその決心を胸に 父親では無く‥ 社長の前に座った。
/415ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13794人が本棚に入れています
本棚に追加