初恋です。

2/14

13792人が本棚に入れています
本棚に追加
/415ページ
「花音ちゃんと 初めてのカラオケ~っ!!」 皆川(ユリア)は 満島(花音)の腕を フリフリしながら 前を歩いていた‥ 「俺とも 初めてだっつ~のっ‥」 俺の横で ブツブツ文句を タレているのは‥ 向井ケンシロー。 俺の数少ない友達。 「この間‥2人で 行けば良かったじゃねぇか‥」 「俺だって そのつもりだったよっ!! やる気満々だったよっ!! なのに‥ユリアは 花音が一緒じゃないとヤダ。 とか言い出すし‥ シンタ‥ お前何とかしろよっ!!」 「何とかって‥ 自分で何とかしろ。」 シンタ‥ 俺の名前は‥ 牧野新太。 アラタなのだが‥ コイツは何故か 昔からシンタと呼ぶ。 そして‥ 「シンっ♪」 何故か‥俺の事を “シン”と呼ぶ 不思議少女がいる‥ 「アレなんだっけ? ホラ‥鬼‥何鬼だっけ? 赤鬼じゃなくて‥」 「ん‥?鬼平の事? 鬼平犯○帳‥。」 「そ~そ~!鬼平~っ!! 凄く面白いよっ♪」 赤鬼って‥ 相変わらず‥可愛い。 この不思議少女‥ 満島とは‥ 中学に入り同じクラスで‥ 満島の席は‥ 俺の斜め前だった。 俺は‥ 気がつくと‥ いつも満島を見ていた‥ きっと‥ 席が遠く離れていても‥ 状況は同じだったと思う。 満島は‥ とにかく何処にいても目立つ。 フランス人形の様な 黄金色でゆるいカーブを 描いた長い髪‥ 陶器の様に白い肌‥ そして‥ 俺と同じ‥ 青い瞳‥。 その容姿は‥ 完全にクラスの中で 浮いていた‥ しかし‥ 満島はいつもマイペースで‥ ヒソヒソ話や‥ 好奇の目には 慣れている様だった。 俺も‥ ずっと‥そうだった‥。 彼女から‥ 目が離せなくなった‥ 俺は‥ 完全に‥ 恋に落ちた。 同じ青い瞳の‥ 満島花音に‥ 恋をした。 俺の‥初恋だった‥。 彼女は‥ 知っているだろうか‥ 俺の瞳が‥ 青い事。 俺の髪の毛が‥ 黄金色な事。 俺は今‥ 黒いカラコンを入れ‥ 髪の毛を黒く染めている‥ 彼女の事を‥ もっと知りたい。と思った‥ 誰かの事を‥ 深く知りたい。と 思ったのも‥ 初めてだった‥。
/415ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13792人が本棚に入れています
本棚に追加