13794人が本棚に入れています
本棚に追加
“二人は‥
同じ父親の子供かも
知れない‥‥”
KIYOが電話で言った事が‥
頭の中で
グルグルリピートしていた。
そうだ‥
シンの青い瞳を
初めて見た時‥
妙な胸騒ぎがした‥
この事なの‥!?
ねぇ‥ピーナッツちゃん‥
ど~したらいいのっ!!?
私はエレベーターのボタンを
連打しながら
お腹に語りかけた‥
“大丈夫だぁ~‥
おっ父が来てくれるよ‥
それより‥
花音ちゃんのそばに
いてあげて‥”
おっ父‥って‥
KIYOの事‥?
KIYOがこっちに?
これから打ち合わせって‥
“そんな事気にしな~い。
ホラ‥早くっ!!”
ピーナッツちゃんに言われ
慌てて私はエレベーターを降り玄関の鍵を開けた。
「シンっ‥!!」
扉を開けた瞬間
シンが飛び出して来た‥
咄嗟に腕で顔を隠したが
その目から流れる涙は‥
隠しようが無く
号泣しているのは
明らかだった。
そんな事より‥
ここまで花音ちゃんの
泣き声が聞こえた。
防音の部屋なのに‥
火がついたみたいに‥
泣いている‥
私はシンを追いかけず
ピーナッツちゃんが言う様に
花音ちゃんの部屋に入った。
花音ちゃんは‥
ベッドをボコボコ叩きながら
わ~わ~泣いていた‥
「花音ちゃん‥‥」
私はそっと
花音ちゃんを
抱きしめた‥
「真理リ~~~ンっ!!!!!
わかんないよ~~っ!!
何であんな事言うの~っ!!
わかんないよ~~っ!!
何で‥謝るの~っ!!?
何か悪い事したの~っ!!?
震えてるクセにっ!!
あんな‥泣いてるクセにっ!!
何で別れるとか言うの~っ!!」
花音ちゃんは‥
私にしがみついて‥
泣きながら叫んだ。
シンが‥
気付いてしまったんだ。
二人が
異母兄妹である可能性に‥
そして‥シンは‥
その可能性に耐えられず
別れを選択した‥
花音ちゃんには‥
理由を告げずに‥
シンが別れを切り出すのに‥
どれほどの精神力が
いった事か‥
死んでも諦めたくない
花音ちゃんを‥
自分では
ど~しようも出来ない理由で‥
諦めざるを得ないこの状況が‥
どれほどツライ事だったか‥
また‥
信じていたシンに‥
理由も聞かされず
急に別れを切り出された
花音ちゃん‥
二人の事を思うと‥
私まで
身を引きちぎられる思いで‥
溢れる涙を止める事が
出来なかった‥
初めての恋なのに‥
まだ‥13歳なのに‥
最初のコメントを投稿しよう!