宿命‥

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“二人は‥ 同じ父親の子供かも 知れない‥‥” KIYOが電話で言った事が‥ 頭の中で グルグルリピートしていた。 そうだ‥ シンの青い瞳を 初めて見た時‥ 妙な胸騒ぎがした‥ この事なの‥!? ねぇ‥ピーナッツちゃん‥ ど~したらいいのっ!!? 私はエレベーターのボタンを 連打しながら お腹に語りかけた‥ “大丈夫だぁ~‥ おっ父が来てくれるよ‥ それより‥ 花音ちゃんのそばに いてあげて‥” おっ父‥って‥ KIYOの事‥? KIYOがこっちに? これから打ち合わせって‥ “そんな事気にしな~い。 ホラ‥早くっ!!” ピーナッツちゃんに言われ 慌てて私はエレベーターを降り玄関の鍵を開けた。 「シンっ‥!!」 扉を開けた瞬間 シンが飛び出して来た‥ 咄嗟に腕で顔を隠したが その目から流れる涙は‥ 隠しようが無く 号泣しているのは 明らかだった。 そんな事より‥ ここまで花音ちゃんの 泣き声が聞こえた。 防音の部屋なのに‥ 火がついたみたいに‥ 泣いている‥ 私はシンを追いかけず ピーナッツちゃんが言う様に 花音ちゃんの部屋に入った。 花音ちゃんは‥ ベッドをボコボコ叩きながら わ~わ~泣いていた‥ 「花音ちゃん‥‥」 私はそっと 花音ちゃんを 抱きしめた‥ 「真理リ~~~ンっ!!!!! わかんないよ~~っ!! 何であんな事言うの~っ!! わかんないよ~~っ!! 何で‥謝るの~っ!!? 何か悪い事したの~っ!!? 震えてるクセにっ!! あんな‥泣いてるクセにっ!! 何で別れるとか言うの~っ!!」 花音ちゃんは‥ 私にしがみついて‥ 泣きながら叫んだ。 シンが‥ 気付いてしまったんだ。 二人が 異母兄妹である可能性に‥ そして‥シンは‥ その可能性に耐えられず 別れを選択した‥ 花音ちゃんには‥ 理由を告げずに‥ シンが別れを切り出すのに‥ どれほどの精神力が いった事か‥ 死んでも諦めたくない 花音ちゃんを‥ 自分では ど~しようも出来ない理由で‥ 諦めざるを得ないこの状況が‥ どれほどツライ事だったか‥ また‥ 信じていたシンに‥ 理由も聞かされず 急に別れを切り出された 花音ちゃん‥ 二人の事を思うと‥ 私まで 身を引きちぎられる思いで‥ 溢れる涙を止める事が 出来なかった‥ 初めての恋なのに‥ まだ‥13歳なのに‥
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