宿命‥

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「花音ちゃん‥ 大丈夫。大丈夫だよ‥ 花音ちゃんには‥ 私もKIYOも‥ ピーナッツちゃんもついてる。 爺っちゃんだって‥ 叔父ちゃま、叔母ちゃま‥ 平蔵だってついてる。 花音ちゃんは‥ ひとりじゃないし‥ 花音ちゃんは‥ 悪くない。大丈夫。 大丈夫だから‥」 私は‥ 花音ちゃんの背中を‥頭を‥ ポンポンしながら言った。 「シンだって‥ きっと悪くないっ!! なのに‥ど~してっ!!?」 「そ~ね‥ シンも‥悪くない。 誰も‥悪くない。 でもね‥神様は‥ たまにこんな事をするの。」 「何でこんな事するのっ!? 神様なんて嫌いっ!! 大っ嫌いっ!!」 神様なんて信じない お兄ちゃんと‥ 神様なんて大っ嫌いな 妹か‥ 「私はね‥ 意味の無い事なんて この世の中に無いと思うの。 きっと何か意味がある。 だから‥今回神様がした事も‥きっと‥意味がある。 それが解るのは‥ 直ぐかも知れないし‥ ずっとずっと先かも知れない。 でもね‥ 何か意味があると思えば 乗り越えようとするでしょ? あとね‥ 神様はちゃ~んと 乗り越える力も一緒に 与えてくれてるんだよ。 試練と一緒に‥ 乗り越える力もね‥ そうやって強くなる。」 それを‥私は‥ 神様を信じないKIYOに 教えてもらった。 全て‥意味があって‥ 試練の数だけ 人は‥自然と強くなる。 自分でも気付かないウチに‥ 私達家族に‥ 次から次と 試練が訪れるのは‥ きっと‥ 私達家族は もっと強くなる力が あるって事。 力が‥ 有り余ってるって事だ。 「真理リン‥ 意味があるなら‥ きっと‥私とシンにとって‥ イイ意味だよね‥ 私とシンが‥ 幸せになる為の試練だよね‥」 花音ちゃんは‥ 真っ赤な目と鼻をして 顔を上げた。 「私は‥そう信じてる。」 花音ちゃんとシンが‥ 兄妹なんて‥ 信じない。 だって‥ ピーナッツちゃんが‥ “大丈夫だぁ~ 大丈夫だぁ~”って‥ 言ってるから‥ 私は‥ ピーナッツちゃんを信じる。 「真理リン‥ 私も‥信じてる。 “大丈夫だぁ~”って‥ 言われてる気がする。」 花音ちゃんは‥ 私のお腹にピトっと 耳をくっつけて言った。 花音ちゃんにも‥ 聞こえるんだ。 そりゃそっか‥ 家族だもんね。 やっぱり‥ 私達家族は‥ まだまだ強くなれる気がする。 それにしても‥ “大丈夫だぁ~♪”って‥ 誰に似たのかしら?
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