宿命‥

32/33
前へ
/415ページ
次へ
「‥花音っ!!」 ピーナッツちゃんが 言った通り‥ KIYOが入って来た‥ もう‥驚かなかった。 既にピーナッツちゃんの 不思議な力は‥ 疑う余地が無かった。 「大丈夫‥今‥ 泣き疲れて眠ったとこ。」 花音ちゃんは 私のお腹に 耳をくっつけたまま 時折ニヘニヘ笑いながら 眠りについた。 ピーナッツちゃんと 何か会話を していたのかも知れない。 「そっか‥ 鼻。真っ赤だな‥」 KIYOは花音ちゃんの 頬を撫でながら言った。 「号泣だったからね‥ 号泣と言えば‥ シンと入れ違いで‥ シンとは話してないの。」 「ぁあ。 俺がアイツと話した。」 KIYOは私の脇に腕を入れて 私を立たせると 部屋を出る様に促した。 私とKIYOは寝室に入り 寝室のソファに座った。 「シンと話したって‥?」 KIYOは‥ マンションの手前で シンを拾い 駐車場でシンが 別れを告げた事を聞いた。 と言った。 「それだけ‥?」 「ぁあ。」 シンは‥さぞ怖かっただろう。 でも‥ 「ど~して‥解ったの? 二人の事‥」 それが一番の疑問だった。 するとKIYOは‥ 派手なシャツの胸ポケットから一枚の紙を ヒラリと指に挟んで見せた‥ 「ピーナッツちゃん‥?」 それは‥ 今日もらったばかりの ピーナッツちゃんの 写真だった。 「俺に‥教えてくれた。 この子の声が‥ 聞こえたんだ。」 KIYOは‥ さっきまでの花音ちゃんと 同じ体勢で 私のお腹にしがみついた。 そっか‥ ピーナッツちゃんの声は‥ 離れた所にいるおっ父にも‥ 届くんだ。 「驚かねーの‥?」 KIYOは ちょっと不服そうに言った。 「驚かない。」 「何で?信じてねーの?」 「信じてるよ‥ この子の声は‥ みんなに届くんだよ。 おっ父にそっくりね‥」 KIYOにそっくり‥ 大事な事を教えてくれる‥ 「おっ父って‥ まさか‥真理。 ずっと前から‥ 聞こえてたの?」 逆にKIYOが驚いた。 「うん♪」 「おっ母~っ!! 何で言わねーんだよっ!! ズルイぞっ!! 俺なんて 今日初めてなんだぞっ!! 何で言わねーんだよっ!! おっ母~っ!!」 おっ母~‥って “ウキャ♪ウキャ♪ウキャ♪” 「コレって‥笑っとる?」 私とKIYOは‥ 目を合わせて同じ事を言った。 「誰に似たんだ? この笑い声‥」 「さぁ‥?」 私とKIYOも ピーナッツちゃんみたいに ウキャ♪ウキャ♪っと 笑ってみた‥ “ウキャ♪ウキャ♪” また‥笑った‥
/415ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13794人が本棚に入れています
本棚に追加