試練‥

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「実はね‥ 私にも聞こえた気がしたの‥ “キャッ♪キャッ♪”って 赤ちゃんが笑う声‥」 「先生‥ “ウキャ♪ウキャ♪”です。 私達の子は‥ ウキャ♪ウキャ♪って 笑うんです。」 誰に似たのか少し変わった 可愛い笑い声‥ 「そうなの‥?(笑) 可愛いわね‥」 先生はまるで‥ 赤ちゃんが 生きてるみたいに言った。 「ハイ。私達2人の 赤ちゃんですから‥」 私も‥ 生きてるみたいに言った。 だって‥ ずっと‥私達の中で 生きてるから‥ 「その後のご主人がまたね‥ 泣きながら笑ったと思ったら いきなり “これからの話を聞かせろ” って‥ またカッコいい顔で 言うもんだから‥ 参ったわ‥(笑)」 「そりゃあの顔で言われたら 参りますよね‥(笑)」 私は‥ 久しぶりに笑った。 笑える日が来るとは‥ 思わなかった‥ こんなにも早く‥ 笑えるなんて‥ 私にも‥ 奇跡が起きたのかも知れない。 ピーナッツちゃんがくれた 奇跡。 KIYOが‥ 私に言った事‥ “俺達を苦しめる為に やって来たんじゃない。 あの子がやって来た意味を 考えろ‥あの子は‥ 俺達を選んで来てくれた。” 今やっと‥ 全て理解できた気がする。 ピーナッツちゃんは‥ 私とKIYOに 色んな事を 教えてくれた。 不思議な力で‥ そして‥ 短い命を精一杯生きて‥ 私とKIYOに たくさんのモノを 残してくれた。 私達を‥ おっ父とおっ母にしてくれた‥ 全てに意味がある。 どんな試練にも‥ 意味があって 試練と一緒に 乗り越える力も与えられる。 私が 花音ちゃんに言った言葉は‥ ピーナッツちゃんが 私に言わせた言葉なのかも 知れない。 次にとんでもない試練に ぶち当たる私の為に‥ ダメなおっ母だね‥ 自分で言った事を すっかり忘れてたよ‥ でも‥ 頑張るからね‥ ピーナッツちゃんに 笑われない様に‥ 頑張るから‥ 見ててね‥ “アイアイサぁ~♪ ウキャ♪ウキャ♪” 「‥都築さん? ヤダ‥二回目。 私コレ二回目よ‥」 そう‥ 私は‥KIYOみたいに‥ ピーナッツちゃんの 声を聞いて‥ 泣きながら笑っていた。 「先生‥これからの話 聞かせて下さい。」 「まぁ‥コレも二回目(笑)」 私は先生と笑った。 きっと‥ ピーナッツちゃんも 笑ってる。 だって‥ ピーナッツちゃんは‥ 今も‥私達の すぐ近くにいるから‥
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