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何で‥
何で‥
この人も一緒なの‥?
しかも‥こぶつき。
それは‥
2週間前の事。
私が社長に呼ばれて
社長室に行った日‥
そう‥
ママさん‥イヤ‥和美さんと
エレベーターで会って
喪服を託された日‥
「ルイ。パスポートあるか?」
と‥突然聞かれ
「一応‥」
使った事無いけど‥
お祖母ちゃんと韓国に
行こうと言ってたのに‥
結局‥使う事は無かった。
「そっか♪なら良かった。
再来週からNYに
行ってもらう。」
ハ‥?
NY?
何故ゆえ‥?
「KIYOが向こうで仕事がある。ルイはボイトレと
ダンスレッスンよろしく♪」
よろしく♪って‥
ボイトレは解るけど‥
ダンスレッスンって‥
「私‥踊るんですか‥?」
この私が‥
踊るんですか‥?
「そりゃわからん。
プロデューサー次第だな♪
ただ‥踊らなくても
何事も経験だ♪
リズム感の練習にもなる。
やって無駄な事は無い。」
プロデューサー次第‥
KIYO次第って事か‥
初対面の日から‥
KIYOとは会っていなかった。
事務所に来る度に
会えるんじゃ無いかと‥
ドキドキしてる自分がいた。
しかし私のドキドキは
無駄なドキドキで終わった。
「どれくらいですか?」
「とりあえず2週間。
KIYOは‥2週間も
滞在は出来ないだろうな‥
ど~せ
帰りたい病を発症するのは
解ってる。
アイツは10日と
言ったところかな‥」
10日間‥
KIYOと一緒。って事‥?
「海外と言っても
別にジャングルに
行くワケじゃない。
足りないモノは
向こうで揃えればいい。
あまり堅苦しく
考えなくていいから♪」
堅苦しく考えるな‥って
社長は言ったけど‥
その日から私は‥
カウントダウンみたいに
日に日に
胸が高鳴った。
そして今日‥
空港に着いてみたら‥
「ルイ~っ!!
ハイっ。コレ、ルイの。
膨らましといてやったぞ。」
「あ‥ありがとう‥」
私は清春君に
首に巻く安眠枕を貰った‥
「ぉお~ルイ。早かったな‥
パスポート持って来たか?
パスポートさえあれば
何とかなるからなっ♪」
社長に添乗員みたいな事を
言われた‥
何で‥
何で‥
この二人が一緒なワケ?
私の胸のカウントダウンは
フェイドアウトしていった‥
二人は‥
しっかりパスポートを
手にしていた‥。
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