誤解‥

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NYに来て1週間が過ぎた‥ 私は毎日ボイトレと ダンスレッスン‥ 始めの頃の全身筋肉痛も 今は無くなり こっちの食事にも 少しずつ慣れてきた‥ そして‥ KIYOは‥と言うと‥ 社長の言ってた 病気を発症していた‥ 何故か‥ 清春君にも その病気が移っていた。 発症したのは‥ 私がKIYOに助けられた 次の日の朝の事だった。 みんなで朝食をとっていると‥ 「帰る~っ!! 今すぐ帰る~っ!! 今すぐチケット取って来い!!」 と‥子供の様に 駄々をこねていた‥ その横で‥ 「帰る~っ!! 今すぐ帰る~っ!! ヒコーキに乗せてくれ~!!」 と‥本物の子供の清春君が 駄々をこねていた‥ 私は‥ 呆然としてしまったが‥ 社長と野田さんは 慣れっこなのか‥ また始まった‥ と言う顔をして シレーっと 朝食を完食していた‥ 私は野田さんの独り言を 聞き逃さなかった。 「真理ちゃん‥ タイミング悪いょ‥せめて あと5日待ってくれたら‥」 真理ちゃん‥ KIYOと清春君の愛しの人。 真理ちゃんから‥ 連絡があったんだ‥ だから‥二人共‥ 愛しの真理ちゃんに 会いたくなった。 私はここで初めて ある事に気がついた‥ 真理ちゃん‥ 真理ちゃん‥ どこかで誰かが 真理ちゃんと言っていた‥ どこで‥?誰が‥? 私は必死に記憶の糸を 手繰り寄せた‥ その時‥ 「清春‥真理ちゃんの お土産ど~するんだ?」 と‥社長が言った‥ そうだ‥ この人だっ!! 私がエレベーターで 和美さんと会った時‥ 一緒にいた‥ 黒髪が似合う‥ モデルさんみたいな‥ 綺麗な人。 あの人が‥ 真理ちゃん‥ KIYOの‥奥さん‥ 確か‥社長は‥ パパに会いに来た‥ と言った様な‥ 奥さん‥妊娠してるんだ‥ KIYOの子を‥ 「ルイ。 パンがぺちゃんこだぞ。 変な食べ方すんだな‥」 清春君に言われて 気がついた‥ 私は‥ 手にしていたロールパンを ぺちゃんこに 握りつぶしていた‥ 「ぺちゃんこは お前の胸だけにしとけ‥」 KIYOは‥ 社長に睨まれて‥ 「スイマセン‥ 言い過ぎました。 だから‥帰らせてくれ~っ!!」 と‥言った。 私は‥ ぺちゃんこのパンを ガブガブとかじった。 涙が出てこない様に‥ 必死に噛み締めた‥。
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