誤解‥

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うまく笑えているか 解らないが‥ 社長と話していると‥ 何と‥KIYOが入って来た‥ 社長は私に “ジジイはお邪魔だね‥ 王子と交代だ‥♪” と‥小さく囁いて カウンターに私を残し 帰って行った‥ 一瞬で私の顔に火がついた‥ 心臓も3倍速になった‥ KIYOは何も言ってないのに 琥珀色の液体が出てきた。 KIYOの瞳の色と同じ 琥珀色の液体を KIYOは美味しそうに飲んだ。 まるで‥ CMを見てるみたいで‥ いつまでも 眺めてられる気がした。 するとチラッと 横目で見られて‥ 顔は熱く‥心臓が飛び跳ねた。 そうだ‥ ‥補習だった。 これは補習授業だ。 私はスタジオでの件を 謝った。 社長と‥ 同じ様な事を言われた‥ 空っぽ‥。 そう。私はKIYOの言う通り 空っぽにして歌っていた。 感情の無い人の歌は‥ 何も伝わらない。 空っぽなら‥ 歌わない方がマシ。 二人の言った事は‥ どちらも同じ様な事だった。 そしてKIYOは‥ 私の事を 生まれたて。と言った。 私がココへ来た意味を‥ 教えてくれた。 世界を広げる事。 自分の知らない自分を‥ 見つける事。 行きたい所に行き 見たいモノを見ろ。と‥ それはきっと‥ 社長が言ってた 色んな経験をして 感情を育む事と同じ事。 生まれたての私は これからでイイんだ‥と KIYOが教えてくれた気がした。 KIYOに頭を グシャグシャされた時には 心臓が止まるかと思ったが‥ これも経験のひとつ。 KIYOの手は冷たいのに‥ あったかい。 ひとつ勉強になった‥ そして‥ KIYOに言われた‥ 「日記をつけろ。 毎日じゃなくていい。 日記じゃ無くてもいい。 思った事や感じた事を 書き留めるクセをつけろ。 ノートでも‥携帯でも‥ 何でもいいから残しておけ。」 私は言われた通り‥ 「わかりました。」 と答えた。 また‥頭を撫でられるかと 思ったが‥二度目は‥ 無かった。 そして‥ 「補習授業終わりっ!!」 と‥言われてしまった‥ もう少し‥ 一緒にいたい。 そう思ったら‥ 「課外授業‥ダメですか?」 と‥口にしていた。 KIYOは‥ 「何それ? 海外だから‥? 海外授業‥?」 海外授業じゃなくて‥ 課外授業です。とは言えず‥ KIYOのマジボケの顔が‥ あまりにも可愛くて‥ 笑ってしまった‥ きっと私は‥ 上手に笑えてる。 そう思った。
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