誤解‥

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「んん‥。わかった。 私は明日の便で帰る。 ‥‥んん。じゃあ頼んだよ。」 社長は電話を切った。 私とKIYOは 社長の部屋に 呼び出されていた‥ 「何、テメ~ひとりで 帰ろーなんて‥ ふざけんなよ‥ 俺も帰らせろっ。」 KIYOは長い足を組んで 棒のついた飴玉を くわえて怒っていた‥ 「ひとりじゃない。 ルイと清春も連れて帰る。」 えっ‥!? 私も‥? 私の方が長かったんじゃ‥ それに‥ KIYOに言われて ひとりで観光に行ったり ミュージカルを観たり やっと‥ 充実した日々を送れてると 思ったのに‥ まだまだ観たい所 行きたい所あったのに‥ 私は‥ かなり残念だった。 しかし‥ 私より残念な人がいた‥ 「ハア~!?ハア~!?ハア~!? 何で俺だけ 置いてけぼりなんだよっ!!」 「お前だけじゃない。 野田がいる。」 「ハア~!?ハア~!?ハア~!? 野田と清春トレード。 清春が俺より先に 真理と会うのなんて 許せね~。」 トレードって‥ 「バカな事を‥ 野田と清春がココに残る意味 ナイだろ~」 確かに‥ ただの観光になってしまう‥ 「んじゃ。俺とオッサン トレードって事でヨロシク」 ヨロシク。って言い方が やたらカッコ良かった‥ 「ヨロシクじゃない。 コレを見ろ‥」 社長はパソコンの画面を 私達の方に向けた。 私は‥ 声が出なかった。 KIYOは棒付きの飴玉を ガリッ‥っと いい音を立てて噛み砕いた。 「コレが‥ もうすぐ配られる。 今朝の新聞だ‥」 それは‥ 私が課外授業と称して KIYOとBARで 強くも無いお酒を飲んで‥ グデングデンになってしまい KIYOに抱きかかえられる様に ホテルに入って行く 瞬間の写真だった‥ 私のせいだ‥ 私がしっかりしてれば‥ こんな事には‥ 「‥私が‥私が‥ ‥スイマ」 スイマセンでした。と 言おうとしたら‥ 「出ちまうモンは しょ~がねぇ‥ 見出しは‥?」 KIYOに遮られ‥ 私の言いかけた言葉は 煙りの様に消えていった‥ 「KIYO。早くも離婚危機。 別居中!?NYで密会。」 「‥‥‥。 別居中。って‥ 合宿だっ!!バカっ!!!」 KIYOは‥ パソコンに向かって 怒鳴りつけると‥ 「で‥コイツ。 ルイはど~するつもりだ?」 と‥一瞬で プロデューサーの顔に戻った。 プロだ‥ と‥思った。 プロ魂を見た気がした‥ 私の謝罪なんて‥無意味だ‥ 私は‥ この人についていくだけ‥ KIYOに‥。
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