誤解‥

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柳沢家の朝食は‥ 実に優雅だ‥ 焼きたてのパンと‥ コーヒーの香り‥ オムレツを焼くいい音と バターの香り‥ お嬢様‥は言い過ぎか‥ 貴婦人になった気分‥ そんな朝食の時間‥ ひとりの使者が やって来た。 とんでも無いモノを持って‥ 「お父様‥コレを‥」 柳沢氏が大先生に コソッと スポーツ新聞を渡した‥ 「‥‥‥‥。」 大先生は黙った。 何かあったのかしら? 私と母さんは 顔を見合わせていた‥ すると‥ 「爺っちゃん♪ テレビ欄見せてっ♪」 花音ちゃんが 爺っちゃんの見ていた新聞を 抜き取ろうとした‥ 「あっ‥!!花音ちゃんっ!!」 爺っちゃんの反射神経は 衰えていて‥ 花音ちゃんに スポッと取られてしまった‥ 「‥‥‥‥。」 花音ちゃんまで 黙ってしまった‥ あの花音ちゃんが‥ 益々気になる母さんと私。 「花音ちゃん。 ミポリンにも見せてっ♪」 「あっ‥ミポリン‥ダメ!」 と言ったが‥ 新聞は母さんの手に渡った。 「‥‥‥‥。」 母さんまで黙った。 しかも母さんは‥ グシャグシャ!!っと 新聞を握りつぶした。 「ど~したの‥? 何が載ってるの? 私にも見せてよ‥」 当然、こう言った。 「真理‥あなたは見なくて よろしい。あなたは‥ 知らなくていい。」 「うん‥真理リンは まだ見ない方がいいよ‥。」 「そうだ‥何で‥ こんなタイミングにっ!! ☆スポめっ!! 握りつぶしてくれるわっ!」 みんながそんな事を言うと‥ 余計‥気になるじゃない‥ 「平蔵~っ!!行けっ!!」 平蔵は母さんの握りつぶした 新聞をバクッとくわえた。 母さんはビックリして 新聞を手放した。 「平蔵~いい子だねぇ~」 私は新聞を持って来た 平蔵の頭を撫でてあげた。 そう‥平蔵は‥ 何故か私の命令を 聞いてくれる様になっていた‥ 大先生が言うには 私がKIYOの大切な人だと 平蔵は認識しているらしい。 KIYOは平蔵の ボス的存在らしい‥ 人間なのだが‥ 私はグシャグシャの新聞を 広げた。 「‥‥‥‥。」 私も‥黙ってしまった。 【“Moonscape”KIYO!! NYで密会!! すでに別居中‥!? 早くも離婚危機っ!!?】 別居中‥? 離婚危機って‥ ど~ゆ~事‥? って‥ゆ~か‥ この人‥誰?
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