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やだ‥
何かドキドキしてきたわ‥
何で私が緊張してんのかしら?
私はマンション内の
待合いスペースで
花音ちゃんとシンを
待っていた‥
膝の上のまだあったかい
タッパーが
湯たんぽみたいに
心地良かった。
あっ‥!!
帰って来たっ‥!!
キャァ~~っ!!
手ぇ~つないどるぅ~っ!!
KIYOが見たらぶっ倒れるな♪
いや‥ぶっ倒されるな♪
花音ちゃんは
私に気がつき
ブンブン手を振った。
シンは慌てて握っていた
花音ちゃんの手を離した。
可愛い。
真っ赤になっとる♪
あれが‥シン‥。
シンは‥
ガラス越しにペコリと
頭を下げて
花音ちゃんとエントランスに
消えた。
もうすぐ中2とは
思えない高い身長‥
そのせいか猫背‥
花音ちゃんの言ってた通り。
表情を隠す様に
長くて黒い前髪‥
あれ‥?
確か‥昔のKIYOも‥
そんなだったっけ‥
「真理リ~ン♪
ただいまぁ~っ♪」
花音ちゃんは
シンをほったらかして
私に抱きついた‥
冬の匂いがした‥
「おかえり♪花音ちゃん。
紹介してくれる?」
花音ちゃんは
思い出したみたいに
シンの服の袖を引っ張って
私の前に連れて来た‥
「シンって言います♪
私の彼氏ですっ♪」
花音ちゃんはニヘっと笑って
言ったのだが‥
シンは‥
ギョッ!!っとなって‥
また顔を真っ赤にして‥
「はじめまして‥
牧野新太です‥
あのっ‥その‥
満島と‥あっ!満島さんと‥」
頭を何度もポリポリと
かきながら一生懸命
挨拶をしていたのだが‥
「シン♪真理リンです‥
お兄ちゃんのお嫁さん♪
真理リンは
お兄ちゃんのモノだから
手ぇ出したら
殺されるからね♪」
と‥花音ちゃんは
ニヘっと笑いながら
シャレにならない
ホントの事を言った。
「殺され‥る‥の?
お兄ちゃん‥って‥何者?」
シンは唖然としていた‥
まぁ‥そ~なるわな‥
「はじめまして‥
佐藤真理です‥
いつも花音ちゃんが
お世話になってます。
殺される‥ってのは‥
大袈裟よ‥(笑)」
「大袈裟じゃないよ。
お兄ちゃんは
やるときゃやる男だよ♪」
人がせっかく
フォローしてるのに‥
この子は‥
確かに‥
やるときゃやる男だけども‥
これじゃ完全に
ヤクザかギャングじゃん!
その時‥
「あっ‥!ポールだっ!!」
ゲッ!!
何やってんだっ!!?
あのSPわっ!!?
黒人のデカい男が一人‥
柱に隠れているつもりなのか
残念ながら‥
全く隠れてはいなかった‥
余計あやしいわっ!!!
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