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母さんは
大先生の運転手が実家まで
送ってくれる事になり‥
勇ましく帰って行った。
そして私はまた箱に入って
キャッスルへ運ばれた。
キャッスルは
空き家だったが
綺麗に清掃されていた‥
事務所の人は
何か困った事があれば
すぐ連絡して下さい。
と言って帰って行った。
困った事は何も無い。
冷蔵庫の中には
ちゃんと食材やら飲み物やら
ひと通り揃っていた。
「KIYO何だって‥?」
和美ちゃんは
今日は私が
お泊まりしてあげるからね♪
と言って居残ってくれた。
正直、助かる。
大先生の所で
賑やかにしてたから‥
急に独りぼっちは
正直、イヤだった。
「それが‥
タマゴとか‥
生まれたてとか‥
よく解らないんだけど‥
KIYOが育てる事に
なったみたい。
明日社長と来るって‥」
和美ちゃんは
右手にサラミ。
左手にはビールを持って‥
「ハハ~ン‥」
と‥ひとり納得した。
「何?和美ちゃん
何か知ってるの‥?」
私はまだ‥ジュース。
もう‥飲めるんだけど‥
まだ‥飲めずにいた‥
「真理ちゃん‥
会ってるじゃない。
ルイちゃんに。」
ルイ‥ちゃん。
ルイちゃん‥。
「ぁあっ!!エレベーターで!!」
彼女だったんだ‥
って‥社長の‥お気に入り‥
じゃなかった‥?
確か‥何か‥
ビビっとキタんだ‥
ピーナッツちゃんが
何か伝えたかったのかも‥
「ルイちゃん‥
KIYOに育ててもらうんだ‥
そ~か‥そ~ゆ~事か‥」
「ねぇ~ど~ゆ~事?」
「KIYOがルイちゃんを
プロデュース
するんじゃない‥?」
「KIYOがプロデュース‥
ルイちゃん‥
歌手のタマゴなんだ‥
でも‥KIYOが
プロデュースなんて‥意外。」
めんどくせぇ~‥
って言いそうなのに‥
「確かにそ~ね‥
ど~せ‥あの人が強引に
やらせたんじゃない?」
和美ちゃんはサバサバ言った。
「社長のお気に入りだから?」
「そうね‥それもアルね。
でも‥KIYOがそれだけで
動くとは思えない。
きっと‥ルイちゃんは
何か持ってるのね‥
あの二人を動かす何かを‥」
確かに。
そう思うと‥
彼女に会うのが
楽しみになってきた。
彼女の何が‥
KIYOと社長。
あの強者(ツワモノ)二人を
動かしたのか‥
この目で確かめたくなった。
ピーナッツちゃんが
感じ取った何かを‥
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