真実‥

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「トモっ!! 俺っ今日、真理ん家に 泊まるっ!!」 「ハア~!? お前明日ガッコあるだろ? ただでさえガッコ休ませて 和美にブーブー 言われてんのに‥ ブーブー言われる私の身にも なってくれよ‥」 「ガッコなんて あと1日休んだって どって事ないだろっ!! 明日1日ガッコ行ったって 俺の成績が上がるワケじゃ ないだろっ!!」 「確かに‥ お前の場合1日じゃ 取り返しつかないからな‥ って‥自分で言うなっ!! ったく‥ 和美がイイって言ったら‥ 泊まりなさい。」 「やったぁ~っ!! 母ちゃん絶対イイって 言うもんっ♪」 清春君は NYへ行く前よりも 帰って来た今の方が 嬉しそうだった。 社長は 調子にのるな!と言いながら 苦笑いをしていた。 私達は今 空港から迎えの車に乗って 高速を走っていた‥ キャッスルとやらに向かって‥ 社長に‥ 「帰国後しばらく 寮に入ってもらう‥」 と‥言われた。 それは別に良かった。 問題はその後だった。 「この騒動が落ち着くまで‥ KIYOと‥真理ちゃんにも 寮に住んでもらう‥」 KIYOと‥ 真理ちゃんと‥って‥ KIYO夫婦と一緒に暮らせ。 って事‥? 社長は‥ 私の気持ちを知っていて‥ なぜそんなムゴい事を‥ と‥思った。 「ルイがイヤなら 無理に‥とは言わない。 ただ‥誤解しないで欲しい。 アイツの事を 諦めさそうとか‥ そんな理由じゃない。 真理ちゃんには‥ 今‥アイツが必要で‥ あの二人を引き離す事は 出来ない。 そしてルイ‥ 君にもアイツが必要だ。 こうなってしまった以上 君をゆっくり育てる 時間が無い。 わかるね‥?」 私が‥マスコミを 騒がせてしまったから‥ 真理さんは‥私の事‥ どう思っているんだろう‥ 「心配しなくていい。 無理だと思ったら いつでも出ればいい。 監禁するワケじゃない。 君も知っての通り アイツが惚れた相手だ‥ 心配しなくて大丈夫‥」 社長は優しい顔で微笑んだ。 私は‥ KIYOが惚れた人に‥ 興味が湧いた。 この目で‥ 確かめたくなった。 KIYOと‥清春君を‥ 虜にする真理ちゃんに‥ たとえ‥ ボロボロに 傷つく事になっても‥ 私は‥ 奇妙な共同生活を 受け入れた。 きっと‥ 私の中に今まで 知らなかった感情が‥ たくさん 芽生えるに違いない‥。
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