真実‥

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それでも‥ やっぱり緊張した。 あんな写真を撮られ‥ どのツラ下げて 会ったらいいのか‥ 「そのままでイイ‥ ありのままの 自分でいなさい‥」 社長が 私の肩をポンポンとして‥ キャッスルと呼ばれる 寮の門を開けた‥ まるで私の心の中を 覗き見されてる様だった。 「ただいまぁぁあ~っ!!」 清春君がスッ飛んで行った‥ 私は社長の後に続き 中に入った。 「お帰りぃ~!清春~っ!!」 「母ちゃん。ただいまぁ♪」 清春君は和美さんと 親子の抱擁をし‥ 「真理はっ!?真理はどこ!?」 キョロキョロと “俺の女”を探した。 すると‥ 「清春‥お帰り‥」 白いシャツにGパン。という ごく普通の格好で‥ 真理ちゃんは登場した。 「真理ぃ~っ!! ただいまぁ~っ!! 無事に帰って来て やったぞ~っ!!」 清春君は真理ちゃんに 抱きついた‥ 「ありがとー‥清春‥ 無事に帰って来てくれて‥ 清春‥お話いっぱい 聞かせてねっ♪」 清春君が‥ “俺の女”と言ったのが‥ わかる気がした。 そして‥KIYOが‥ ライバル視するのも‥ わかる気がする。 真理ちゃんは‥ 清春君を愛おしく見つめ‥ マリア様みたいに笑った‥ この人が‥ KIYOの愛する人。 エレベーターで会った時‥ モデルさんみたいに 綺麗な人だと思った。 その印象は変わらないが‥ 清春君と接する 真理ちゃんは‥ 愛に満ち溢れた人。 という印象を受けた‥ 誰かに愛されると‥ こんな風になるものなのか‥ ついマジマジ見つめてしまい 目があった‥ 「真理ちゃん‥ 今回は本当にすまなかった‥ 彼女はルイ。 ウチの金のタマゴ。」 「はじめまして‥ ルイ‥です‥。 あの‥今回は‥本当に‥」 私は社長に促され 挨拶をしたのだが‥ 「はじめまして‥真理です。 KIYOから聞いてます‥ 一度、事務所で お会いしてたんですよね♪」 「あ‥はぃ‥」 真理ちゃんは‥ 私にも優しく微笑んだ‥ スイマセンを 言わせてくれなかったのは‥ 2度目。 KIYOと‥同じだった。 いきなり 先制パンチをくらった気分‥ 別に‥ 対決するつもりじゃ無いし‥ 勝てる気もしないけど‥ そんな気分だった‥。
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