真実‥

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清春は 和美ちゃんを言いくるめ ココにお泊まりする事になり‥ ルイちゃんは明日の夜に 引っ越すという事で‥ 大人達は帰って行った‥ そして‥ 二人きりになった所を 見計らって‥ 「真理‥ハイ♪お土産っ‥」 と‥ 清春が私に赤いリボンの付いた小さい布の袋を差し出した。 「えっ‥!?私に‥? ありがとー‥清春。 開けていい?」 清春は‥ キラキラした目で 何度も頷いた。 その小さい袋の中には‥ 濃い青の石ころが 入っていた‥ 「パワーストーン‥」 「知ってるのっ‥!?」 「うん‥知ってるよ‥」 「良かったぁ~‥ ただの石コロだと 思われるかと思って‥ 良かったぁ~‥」 心底ホッとした清春を 見ていると‥ これが‥ ホントにただの石コロでも‥ 私は嬉しい‥と思った。 「この石コロ‥ ラピスラズリ‥って言って‥ スゴいパワーが あるんだってっ!!」 自分で‥石コロって 言っちゃってるし‥ 「水晶の次に パワーがあるんだよねっ。」 「そ~なんだよっ!! 幸運を呼ぶ 石コロなんだってっ!! 願いが叶う。って!! 俺も‥ホラ。おそろい♪」 清春はポッケから 同じ石コロを出した。 「ホントだ‥♪ おそろいだ♪ ありがとう‥清春。 大切にする。」 清春は‥嬉しそうに ニコ~っと笑った。 この笑顔だけで 良かったのに‥ 「清春の願いは‥何? この石に‥何を願うの‥?」 「俺は‥この石コロに‥ 真理の幸せを願う。」 何でこんなに可愛い事を 言うのだろう‥ 「清春‥ありがと‥ でも‥清春の夢は?」 「俺の夢‥? 夢ってゆ~か‥ 俺はジミーみたいな ギタリストになるんだっ♪」 また‥目が輝いた。 「じゃあ‥この石コロに そう願った方が良くない?」 「ハア~!? それはお願いじゃね~もん! なるんだもん! 俺のお願いは 真理が幸せになる事だもん!」 正直‥ ドキッとした。 言う事が‥ KIYOみたいだったから‥ 一週間一緒にいたから‥ 清春は益々KIYOみたいに なったのかも知れない。 清春の夢は‥ 石コロに願って‥ 石コロに 叶えてもらうのでは無く‥ 自分に誓い 自分で叶えるモノ。 ‥参った。 「清春‥ 一緒にお風呂入ろっか♪」 「当ったり前だっ♪」 清春は‥ ギューッと抱きついた‥ ヤッパリ‥そっくりだ‥。
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