真実‥

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清春は長旅で疲れたのか‥ お風呂ではしゃぎ過ぎたのか‥ ベッドに入ると すぐに定期的な寝息をたてた。 「真理が寝るまで 起きててやるからなっ♪」 なんて一丁前な事を 言ってたのに‥ やっぱ この辺は子供で可愛い。 私はあまりにも 可愛い過ぎて‥ 愛おしくて‥ スヤスヤ眠る清春を ギューッ‥と 抱き締めてしまった。 「‥真‥理ぃ~? 怖い夢見たのか‥? 眠れないのか?」 清春はムニャムニャしながら 言った‥ 言う事がまた‥ 憎いくらい可愛い。 「ぅぅん‥ゴメンね‥ 起こしちゃったね‥ 私は大丈夫だから‥ ゆっくり寝て‥」 私は清春を抱いたまま 背中をポンポンとした。 そう言えば‥ 出会った頃、清春は夜‥ 独りで泣いてたっけ‥ 「んん‥真理ぃ~ 大丈夫だょ~‥ 俺がいるからぁ~‥ 大丈夫だょ~‥」 今は‥ 小さい手で‥寝言の様に つぶやきながら 私の背中を ポンポンしている‥ 清春が‥ あったか過ぎて‥ 涙が出てきた。 ピーナッツちゃんを‥ 思い出して‥ 悲しみは‥消える事は無い。 でも‥ 清春の小さい手が‥ 清春の“大丈夫だょ~”が‥ ピーナッツちゃんに ポンポンされてる様で‥ ピーナッツちゃんに そう言われてる様で‥ 私は‥ 清春を抱いたまま‥ 眠った。 そして‥ ピーナッツちゃんの夢を見た。 ピーナッツちゃんが‥ 雲の上をゴロゴロしたり‥ 雲の滑り台で遊んだり‥ 雲のブランコに乗って‥ ウキャ♪ウキャ♪ はしゃぐ夢を見た‥ そ~いえば‥ KIYOのお父さんと‥ 清春は‥ ブランコで遊んでたっけ‥ ピーナッツちゃんもきっと‥ お祖父ちゃんや お祖母ちゃんと一緒に 遊んでるんだろう‥ ウキャ♪ウキャ♪笑いながら‥ KIYOが帰って来たら‥ 教えてあげよう‥ ピーナッツちゃんは‥ 元気だよ‥って‥
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