真実‥

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リビングにテレビはあるが‥ テレビはついていない。 テーブルに2人向かい合った。 美味しそうに盛られたお蕎麦と天ぷらまであった‥ 「ルイちゃん‥何飲む? ビール?日本酒もあるよ♪」 日本酒なんか飲んだら‥ とんでも無い事に なってしまう。 それでなくても‥ あの日‥ あんな事になってしまって‥ 多大なる迷惑をかけたので お酒は‥怖くなってしまった‥ 「お茶かお水を‥ いただきます‥」 「そ~なの~? 遠慮しないで飲んでね~」 そう言いながら 真理さんは私の分と2つ お茶を入れてくれた‥ 「じゃあ‥ ルイちゃんのお引越に‥ カンパイ♪」 「ぁ‥カ‥ンパイ‥です‥」 私達はお茶でカンパイをした。 「ついついクセでいっぱい 作り過ぎちゃったから‥ たくさん食べてねっ。」 「ぁ‥はぃ。いただきます‥」 確かに‥ 女2人の食べる量じゃない。 「‥‥おいしぃ。」 思わず‥口から言葉が 出てしまった‥ 「良かったぁ~♪ モリモリ食べてねっ! 歌う人って‥ モリモリ食べるんでしょ?」 モリモリって‥ それは‥人によるかと‥ 「歌うのって 凄いエネルギー使うでしょ? だからモリモリ食べないと‥ 清春なんてお昼に これくらいペロッと 食べちゃったわよ‥ 歌ってないのに‥」 真理さんは楽しそうに笑った。 私も‥ 頑張って微笑んでみたが‥ どんな顔になってるか 解らない。 とにかく‥ 私も‥何か話さないと‥ と‥思って 口にしていたのは‥ 「清春君‥ 帰っちゃったんですね‥」 と言う言葉だった‥ 「ぅん。学校あるからね‥ 清春がいると 賑やかでイイのにね‥」 シーン‥。と‥ 盛り下げてしまった‥ 「ルイちゃん‥ 私に気を使わないでね‥」 真理さんは‥ 私の目を 真っ直ぐみつめて言った‥ 黒目の大きい 漆黒の綺麗な瞳‥ ドキッとしてしまった‥ 私の中に‥ KIYOが好き。と言う やましい気持ちが あるからなのか‥ 何なのか解らないけど‥ 女の人に見つめられて‥ ドキドキしたのは‥ 初めてだった‥ 吸い込まれそうな 黒い瞳は‥ 私の心の中を 覗き込んでいる様で‥ また‥ 先制パンチをくらった‥。
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